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月明かりに照らされた夜道を当てもなくブラブラと歩く。
たまに、遠くから走ってくる新聞配達員や遠距離トラックとすれ違った。
夜は静かで落ち着く。
話し声や余計な雑音が聞こえないから。
カーンカーンカーンカーン
踏み切りに差し掛かり降りた遮断機の前で立ち止まった。
始発電車が通り過ぎていく。
ふと目の前の電車を見つめていると足元が光った気がした。
気のせい?
疲れのせいだと思い、上がった遮断機の下を歩き出す。
真ん中まで歩いた時、足元から子猫の鳴き声が聞こえた。
驚いて視線を下げると白い子猫が座り込んでいた。