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ショートショート5月〜5回目

浮かび上がる記憶をしみじみと。

作者: たかさば

時折、脳裏に浮かびあがる、記憶がある。


なぜか、ふいに思い出される…過去の出来事。

経験したことがないのに…思い出す。


……なぜ、わたしは、思い出すのだろう?


確かに未経験の、出来事。

はっきりしない顔の、誰か。


いつも、不思議に思う。

いつも、胸がざわつく。

いつも、困惑する。


全く知らないはずの、謎の記憶。

さも自分自身が経験したような、謎の既視感。


……本当に、わたしはいったい、何を…思い出しているんだろうね?


真相は、おそらく……。


わたしの中の、誰かの…欠片。


何となく、胸が痛いのは。

何となく、逃げ出したくなるのは。

何となく、悲しくなれるのは。

何となく、潰されてしまいそうに思うのは。

何となく、失うことを予感するのは。


わたしの中に消えていった、誰かの…名残りなんだろう。


記憶が浮かぶたびに…時の流れを感じる。

記憶が浮かぶたびに…居た堪れなくなる。

記憶が浮かぶたびに…自身の在り方を考える。


記憶が浮かぶことに…幸せを感じては、いる。


感情って、こういうものなんだ。

人間って、こんなふうにもがくものなんだ。

命って、こんなにもいろんなことを残せるんだ。


この身のうちに消えてはしまったが…きっと、意味があることだったのだろう。


これからも、いっぱい、いっぱい…思い出せることを、期待する。


いっぱい、いっぱい…いろんな記憶を、思い出せるといいな。


わたしは、目の前で震える肉を。


ひ と く ち で 。

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