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巨大地下施設 その2

大久保 徹



「うん?」


 ぼくは寒さで気が付いた。

 どうしても寒さ以外でも震えてしまうけど、思い切って目を開けてみた。

 目の前には巨大な戦車がそびえていた。


「ここは、夢の中?」


 まだぼくは寝ているみたいだ。

 早く起きないと、両方のほっぺたを数回叩くと、やっと目が覚めて来た。

 やはり、戦車が見える。


「?!」

 

 く……臭い……。

 血の臭いに似ている。


 嫌な予感がしてきて、吐き気が緩やかにこみ上げてきた。勇気をだして戦車から遠ざかった。


 ぼくは人を探しに道路の地面を、しばらく歩くことにした。


「あれ? 何か落ちてる」


 道路の端にパイプクリーナーがポツンと落ちていた。


「誰のかな……?」


 ぼくはパイプクリーナーを持って、再び歩くことにした。


 西の方からの駆動音が聞こえて来た。

 徐々に大きくなるその音は、まるで……。


「な……何?!」


 こっちへ来る!

 手にしたパイプクリーナーを強く握って、元来たところへ走った。

 

「車に轢かれそうーーー!!」


 そう、昔聞いたことのある電気自動車の音だった。

 タイヤの音以外は、エンジン音がなかなかしない。

 

 車はスピードを上げたみたいだ。

 

 ギュッギュッっと、タイヤが地面と擦れる音が後方でしていた。

 まるで、ぼくをかなりの速さで正確に追いかけているみたいだった。


 ぼくは怖いけど、戦車の周囲や広い道路をグルグルに走った。

 息切れで苦しくなった。


 過呼吸になって、それでも風の吹く反対の方向へと走りに走った。


「あ! そうだ! パイプクリーナー!!」


 ぼくは、パイプクリーナーを地面にぶちまけた。


 こうすれば……。


 後方を見ずに一直線に走り、前方に出現した暗い洞窟へと向かった。


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