さようなら、僕の言葉
それは突然 ふわりと舞い降りた
空気の束抱き締めるように 柔らかく
水田に波すら立てない 細かさで
でも僕は その光景に不安を感じて
君の心を手繰り寄せ 危うさを分かち合おうとした
ひとつになりたくて
でも君は 僕の些細な不安定をわかってくれなくて
縺れた心は離れた
静けさだけが冷たい 硝子色の白鳥
最後にふたりが見てた 同じ景色は孤独
考えてみれば全ては前兆だった
「夢みたい」君は常にそう言った
言葉にしないと 本当に夢になってしまいそうで 二人の日々
お互いの瞳に 時間に お互いがいること 確かめあうために
また「夢みたい」うたうように口ずさむ
薔薇色がどんな色かも 知らないくせに
「あなたとの毎日は薔薇色」
だけど あの前ぶれから
君の肩さえかわしながら 一人で僕は夢を抱いてた
自分から君との日々を思い出にした
怖がりが引き裂いた 永遠
僕の言葉はもう君に届かない
過ちだったんだね ひとつになろうとしたのは
どれだけ通じあっていても 君と僕はお互いにふたり
交わることは出来ない
もう遅いけど
あとひとつ 願いが叶うなら
君の瞳にいる僕を 形そのままに時をとめたくて
言葉なんかいらなかった二人に戻りたい