つちのこうやのラブコメ (それぞれ別々にお読みいただけます)
寝不足の妹がすごい爆睡してるので起こさないようにしようと思ったのに、突然寝ぼけたまま頭突きされたのでとても痛い
最近妹はとても疲れている。
というのも最近の小学生は勉強熱心らしく、相対的に勉強出遅れないためにも、結構勉強をしてるようだ。
それに加えて、僕はよくわからないけど、ラインの返信やゲームでも忙しいらしく、その結果妹はよく眠そうにしている。
というか、よくそこらへんで寝ている。
今も寝ている。
寝方がやばいし口の開け方がやばい。
兄としても可愛い顔と認めてるのになあ。
なんかボール専用の穴かと思うくらい丸く開いてるんだよね口が。
でも何もはめないのはもちろんのこと、そもそも起こさないようにしなきゃな。
僕はそーっとおやつの体制を整え始めた。
妹が好きなチョコレートケーキを買ってきたので、それを出す。
妹を見ると、少し動いていた。
うつ伏せになっている。
間抜けな見た目だけど精一杯生きてる深海生物みたいだ。
僕は面白いなあと思いながら眺めていた。
すると少しして……妹が立ち上がった。
まじで?
びっくりした。
しかしよく見ると、目が開いてんのかよくわからないレベルである。
どうやらトイレにでも行きたくなって自然に起きたか。
予想は当たったようで、妹はトイレへと言った。
トイレから帰ってきた妹は、どうやら洗面所へと行って、手を洗ったようだ。
そのまま顔でも洗って目を覚ますんだろうな。
よし、いまのうちに、ケーキと飲み物でも準備しておくか。妹はなんだかんだでジュースが好きだからな。ちょうど開いてるからマンゴージュースでいいかあとで聞いてみよう。
お、ちょうど帰ってきた。
どどどどど、ずしっ。
え? 痛いんだけど。
妹が突進してきた。
僕は女の子とぶつかるとしたら、胸が大きいお姉さんとがいいなあと長年思っていた。
ぶつかっても柔らかそうだし、とてもふんわりとした雰囲気になりそうだ。
小学生の妹はそれとは正反対。
まだ胸はないし、寝ぼけてるせいか、頭の重みを利用して前のめりになりながら走ってきた。
だから妹の頭が僕の胸? 腹? (とにかく痛い)にどっしり当たったのだ。
「ぐっ……」
痛すぎて少しの間動けないでいる間に、妹の目が覚めたようだ。
「あ、チョコレートケーキある! やった! あれ? お兄ちゃん、うずくまって、もしかしてお腹痛いの? 私お兄ちゃんの分も食べてあげるね勿体無いから」
「お……け(おき上がれないだけ)」
「あ、おっけーなのね? じゃあいただきます〜」
ああ……僕のケーキ。
でも妹が元気そうで何よりだ。
そうちゃんと思えた僕はいいお兄ちゃんだな。
誰も見てないので僕は自分で自分にそう言ってあげたのだった。