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14 この辺で手柄を立てておくか(※シュヴァルツ視点)

 デオン侯爵からマリアンヌとの婚約の話を貰ってから1週間。父上にも話をし、マルセル侯爵の悲しみを思えば正式な発表は後にすべきだが、内々に話をすすめよう、ということになった。


 せめて婚約者を亡くして……喪が明けるあと2ヶ月後、正式な婚約発表を行おうと。


 はは、そりゃそうだ。だから俺も濁して帰ってきたんだからな。


 リディアの両親は娘を溺愛していたが、リディアは別に不出来な女じゃなかったぜ? ただ、頭がお花畑のお貴族様なだけでよ。


 俺は違う。市井を知っている。結婚する女は俺の地位を高めるために使い、俺が市井のためになる王になればいい。


 そうすりゃ結果的に俺は儲かる! 欲しい物が、酒でも女でも賭場でも金でも好きなだけ手に入る! めんっどくせぇしがらみも全て、王になったら取っ払ってやる!


 ノブレスオブリージュ、王侯貴族は民に対して責務を負い、還元する義務がある。


 だが、俺の周りにいる父上から婚約者に至るまで、果てはその親まで、民の事をなんっにもわかっちゃいねぇ! そんな所が実に腹が立つ! 脳内お花畑しかいねぇのかと、俺は気づいた時にはビックリしたもんだ!


 ま、俺がスレてるってのは認めようじゃねぇか。貴族と民が交わる、本当はよくねぇのかもしれねぇ。しらねぇからできることもあるだろう。


 民の事を考えているばかりじゃ政治がまわらねぇ、それは分かってる。俺もその恩恵で金をじゃぶじゃぶ使って遊んだわけだ、それを知らねぇで接待してた民も民だ! アイツらはアイツらで頭の中お花畑だよなぁ! 貴族がどんないい暮らしをしてるかも知らずによぉ!


 ちょっと金を持ってる男が遊びに出たらぼったくる。ははは、別にいいぜ? 元はお前たちの税金だ。ぼったくりたいだけぼったくればいい。


 税金で成り立つ事業もあるが、ま、俺の衣服や装飾品にかかった金なんざ微々たるもんで、それを還元するくらいなんてこたねぇさ。俺も楽しんだしな。


 国庫に手を付けるヘマはしねぇが、俺もさすがにそろそろ売っていいもんが無くなってきた。遊ぶにゃ金がかかる。


 だから地位を手に入れねぇとな。


 その為には……マルセル侯爵も納得し、マリアンヌとの婚約を早めて、俺が王位継承権第一位を獲得するには、兄上の足を引っ張るんじゃいけねぇ。


 俺はあくまで儚くて優しい、婚約者を目の前で亡くしてしまった王子だ。


 下町のツテを使って、前に話に上がっていた怪しい女を捕まえる。


 正規兵じゃいけねぇ、あえて下町のヤツにやらせる。そいつの正体がわからねぇからな。


 隣国のスパイだとか、どっかで田舎貴族を騙くらかした詐欺師だとかだとありがてぇんだがな。


 内密に手を回して調べさせました、なんて言って差し出しゃ手柄だろ。


 いつまでも下を向いてる王子じゃねぇと、父上にも貴族にもしめさねぇとな!


 リディア、お前のおかげで俺はどんどん玉座が、好きなだけ好きなことができる場所が近付いているのが分かるぜ。


 死んでくれて感謝してるよ! 俺が殺したのは間違ってなかったぜ! ははは!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 小物周がどんどんひどくなる…
[気になる点] 何となく、対外政策は無能だと思う
[一言] 面白いです。勿論、星5です。更新が楽しみです。
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