真っ赤な嘘が導きたるは②
時を同じくして。
「──エリスさんが、男装……?」
魔法大国アルアビスの中心地・"中央"。
法と政治と軍事を統括するその区域に程近い、城下町と呼べる賑やかな商店街の、とあるカフェにて。
シルフィー・ヴェルマリニ・アインシュバインは、眼鏡の奥の瞳を訝しげに歪ませた。
その視線の先──向かいの席に座るエリシア・エヴァンシスカは、フォークにくるくるとパスタを巻き付けながら、小さくため息をつく。
「そうなの。その屋敷には男の使用人しか雇わないっていう決まりがあってね。まぁ、それもまた理由があるんだけど……んんっ、やっぱりここのミートソースおいしいっ! 王都に帰って来たら絶対に食べたいと思ってたんだぁ♡」
なんて、言葉半ばで頬を押さえ、うっとりと唸る。
その幸せそうな表情に、シルフィーは「変わっていないなぁ」と、苦笑した。
花の都・パペルニア領での一件から、二ヶ月が経とうとしていた。
治安調査員として遠方に出向いていたシルフィーが王都に帰って来たと聞き、エリスは彼女をランチに誘ったのだ。
それで、互いの近況を報告し合っているわけだが……
「……で? 笛の調査のために男装して、領主のお屋敷に潜入して、どうしたんですか?」
と、シルフィーが話の続きを促す。
一言発しては一口食べ、その度にうっとりしているため、エリスの話が一向に進まないのだ。
エリスは咀嚼していたものを飲み込み、ミートソースの芳醇な味わいの余韻に浸ってから、グラスの水に口を付ける。
「お屋敷には、病気している領主と、その娘のメディアルナっていうコがいてね。笛はその娘が吹いていたんだけど、聴いた人間の精神に作用する不思議な代物でさぁ」
「まさか、それって……」
「そう。結論を言っちゃえば、"禁呪の武器"の一つ・『竜殺ノ魔笛』だったのよ」
あっさりと言ってのけるエリスに、シルフィーは口をぽかんと開け驚愕する。
そして、自身が目の当たりにした"禁呪の武器"──『風別ツ劔』に纏わる一件を思い出す。
アルアビスの国民なら誰もが知る御伽噺、『封魔伝説』。
七人の賢者が聖なる武器を用いて、邪悪な魔王を封印する勧善懲悪な物語として語り継がれているが……
その実態は、ニンゲンの悪意に満ちた"原罪の物語"であった。
賢者とされていたのは古の権力者たちで、彼らは精霊を残虐な方法で武器に封じ、戦争の道具にしていた。
醜い争いを止めるため、"精霊の王"は精霊たちを人間の目に映らないよう秩序を変えるが……
激昂した権力者たちによって、"精霊の王"は井戸の底へと封印されてしまった。
その成れの果てが、"水瓶男"と呼ばれる奇妙な人物だった。
つまり、『封魔伝説』に登場する聖なる武器は、殺戮兵器として製造された"禁呪の武器"だったのだ。
その内の一つである『風別ツ劔』は、巨大魚・シュプーフの口の中にあった。漁師のブルーノに導かれ、エリスとクレアはこれを無力化した。
そして、他の武器に封じられた精霊もすべて解放すると、"水瓶男"──"精霊の王"と約束したのだ。
(……って、今思い出してもほんと御伽噺みたいな話しだけど……)
と、シルフィーは顔を引き攣らせる。
エリスの軽い口調のせいで緊迫感ゼロに聞こえるが……つまりは、そんな超伝説級の武器が再び見つかった、という話らしい。
「……こうして無事に帰って来られたということは、精霊の解放に成功したんですか?」
他の客に聞かれぬよう声をひそめるシルフィーに、エリスはやはりパスタをもぐつきながら頷く。
「うん。一緒に行ったクレアの同僚が操られたりして大変だったけど、なんとかね。でも、その笛は置いてきた」
「置いてきた?! 元"禁呪の武器"をですか?!」
「だって、その笛に封じられてた精霊が『音楽を依代にしないと消えちゃう』って言うんだもん。だから領主の娘に預けて、それまで通り演奏してもらうことにしたの」
「そんな……一般人の手元に置いてきて大丈夫なんですか?」
「だいじょぶだいじょぶ。ハチミツもらうついでに、定期的に様子を見に行くことにしたから」
「……ハチミツ?」
「うんっ♡ 『琥珀の雫』っていう最高級ハチミツなのっ♡ お土産にもらった分がまだウチにあるんだけど、もうほんっとに美味しくて♡」
目にハートマークを浮かべ、恍惚の表情で語るエリスを……シルフィーはジトッと見つめる。
「……また恩を売るか脅すかして、無理矢理手に入れたんですね」
「人聞きが悪いわねぇ。普通に『ちょうだい』って言ってもらってきたのよ。友だちとして」
「友だちぃ〜? エリスさんの口からそんな言葉が出るなんて、ますます怪しいです」
「どーいうイミよ! ……ふん。信じてもらえなくてもいいもん。ディアナは本当に、あたしにとって……初めてできた友だちなんだから」
……なんて、照れ混じりに言うので
シルフィーは……何度か瞬きをしてから、こう聞き返す。
「……って、私とエリスさんて、友だちじゃなかったんですか?!」
目の端に涙を浮かべながら叫ぶシルフィーに……
エリスは、はて、と小首を傾げる。
「え……あたしとあんたって、友だちなの?」
「友だちでしょう!? イリオンの街で共に苦難を乗り越え、王都に帰ってからも時々こうして一緒にご飯を食べているじゃないですか!」
「……そっか」
「そうですよ! もう……だからこそこうして、お誕生日プレゼントを用意してきたのに!!」
そう言って、シルフィーは鞄から取り出したもの──花柄の包装紙でラッピングされた小さな箱を、エリスにずいっと突き付けた。
エリスは目を丸くしながらも、それを受け取る。
「誕生日、プレゼント?」
「そうです! エリスさんたちがパペルニア領に行っている間に、チェロ先輩と一緒に買ったんです! ちょうどすれ違うように私が治安調査の任務に出てしまったので、渡すのが遅れてしまいましたが……とにかく、お誕生日おめでとうございます!!」
その気迫に圧されながら、エリスは「ありがとう……」と返し、
「……開けてもいい?」
「どうぞ」
遠慮がちに尋ねると、シルフィーの拗ねたような声が返ってきた。
エリスは包装紙を丁寧に開け、箱を取り出す。
そして蓋を開け、中を覗くと……きらりと光る、小さな瓶が入っていた。
薄紅色のガラスに、金色の塗装でレースのような紋様があしらわれている。
栓の上部には、白いガラスでできたマーガレットの花が付いていた。
年頃の少女なら見ただけで胸が躍りそうな愛らしい小瓶を、しかしエリスはきょとんと見つめて、一言。
「…………食べ物ではなさそうね」
「香水瓶ですよ。匂いフェチなエリスさんにぴったりでしょ?」
「にっ、匂いフェチじゃないし! 人よりちょっと鼻が利くだけ!」
「はいはい。香水でなくても、好きな調味料を持ち歩くのにも使えるし、いいかなと思ったんです。ほら、前に塩とか携帯していたじゃないですか」
そんなことよく覚えているな……と、エリスは自分の嗜好を理解してくれていることに、ほんの少し嬉しさが込み上げる。
だから、
「……ありがと、シルフィー。大切にするね」
そう、はにかみながらも、真っ直ぐに伝えた。
シルフィーは、やはり拗ねたように口を尖らせながら「どういたしまして」と頬を染めた。
「そういえば、チェロは元気? 帰って来てから全然会えていないんだけど」
「私も最後にお会いしたのがそのプレゼントを買いに出かけた時なので、最近はどうされているのかわからないです。魔法学院の授業とご自身の研究で、相変わらず忙しいみたいですよ」
「研究……って、やっぱ『精霊封じの小瓶』に代わる方法はなかなか見つからないのね」
「ですです。ストレスで酒の量が増えたって、嘆いてました」
苦笑いするシルフィーを見つめ、エリスは思い出す。
『精霊封じの小瓶』は、不可視の存在である精霊を携帯し、どんな環境下であっても望む魔法を発動させることができる革新的な発明だった。
この発明のおかげで、魔法の軍事的な活用の幅が広がったのはもちろんのこと、人々の生活もより便利になった。
例えば、冷蔵庫。
これまで氷で庫内を冷やす方法が主流だったが、氷の取り替えが不要な"魔法式冷蔵庫"が普及し始めたのだ。
水の精霊・ヘラと、エリスが発見した冷気の精霊・キューレ。この二つを組み合わせ専用のガラス容器に封じ、庫内に置くことで内部の低温が保たれる、というものだ。
決して安価ではないため、一部の飲食店や宿屋、貴族の屋敷でのみ普及しているのが実情ではあるが……研究が進み、大量生産が可能になれば、より多くの家庭に広がることだろう。
そう。チェロの発明は、人々の生活を変えてしまうほどに画期的で革新的なものだった。
だからこそ彼女は、二十一歳という若さで魔法学院の特別栄誉教授に任命されたのだ。
しかし……
チェロは、イリオンの一件で知ってしまった。
不可視で無機質な気体だと思っていた精霊に、"意志"があることを。
だから、精霊の尊厳を無視し、一方的に閉じ込めるような自身の発明を否定した。
そして、精霊の意志を尊重した上で、より便利に魔法を活用できる新たな発明をしようと考えたのだ。
「あいつは変態だけど……魔法というものに対して、誰よりも真摯に向き合っているからね。あたしも時々顔を出して、手伝うことにするわ」
と、自分に魔法のいろはを教えた教師としてのチェロを思い出し、エリスは肩を竦める。
その言葉に、シルフィーは嬉しそうに頷く。
「えぇ、ぜひ。チェロ先輩、すごく喜ぶと思いますよ」
「まぁ、また変なコトしようとしたら問答無用で役人に突き出すけど」
「あはは。その前にクレアさんがすっ飛んで来るでしょうね」
「それはそれで厄介だわ。あいつら、変態は変態でも無駄に実力のある変態だから、暴れられたら周りに迷惑」
「それもそうですね。そういえば……クレアさんからは、お誕生日に何をもらったんですか?」
「へっ?」
「あの人のことだから、何かすんごいプレゼントを用意していたんじゃないですか? 私、興味あります」
なんて、好奇心に目を輝かせながらシルフィーが尋ねるので……
エリスは、グラスの水を一口飲んでから、答える。
「…………花を、もらった」
「まぁ、素敵。意外と……と言ったら失礼ですが、けっこう正統派なプレゼントだったんですね。あ、もしかして、ものすごく大きな花束だったとか」
「うん。花束というか…………花畑?」
「…………え?」
「クレアが自分で苗を植えた花畑を、丸々もらったの。土地ごと」
「土地ごと?!」
「うん。そうすれば毎年花を植え替えられるからって、パペルニアにある農園の一画を買い取ったんだって」
真顔で答えるエリスに、シルフィーは顔を引き攣らせ……
「…………重っ」
思わず、本音を溢した。
それに、エリスは首を傾げる。
「……おも?」
「あ、いや……相変わらず重めな愛情表現だな、と思いまして……」
「え、そうなの?」
「だって土地って、一生ものの資産じゃないですか。それを贈るってことは、エリスさんを一生離すつもりはないっていうアレで……」
「……そういうのを、『重い』って言うの?」
「いえ、あくまで私の主観ですが……十七歳の少女に贈るものとしては、ちょっと重いんじゃないかなぁと……」
「……ふーん」
エリスは、手にしていたグラスをテーブルに置くと……
ふいっと、顔を背けて、
「あたしは…………けっこう、嬉しかったんだけどな」
と……
頬を染めながら、恥ずかしそうに呟いた。
その横顔を見つめ、シルフィーは……
「……すみませんでした!!」
ごんっ! とテーブルに頭を打ち付け、即座に謝罪した。
エリスはぎょっとして身体を仰け反らせる。
「ちょ、何してんのよ! 顔上げて?」
「そうでした……エリスさんって食や金に関してはチンピラ並みにガメつくて強かなのに、こと恋愛においては超がつくほど無垢なんですよね……」
「なっ……なによあんた、喧嘩売ってんの?!」
「違います、反省しているんです……私ごときがお二人の関係に口を出すなんて野暮でした……エリスさんたちはどうかそのまま、盲目なまでに一途な愛を貫いてください」
「なんかすごく恥ずかしいこと言われてない?! とりあえず一旦黙ってくれる?!」
顔を真っ赤にして騒ぐエリスに、シルフィーは顔を上げて、
「……相変わらず仲良さそうで安心しました。もっとも、あまり心配はしていませんでしたが」
そう、笑いながら言うので……エリスは慌てて目を逸らす。
「ま、まぁ、仲は悪くないけど……別に普通よ」
「その『普通』が、案外難しかったりしますからね。世間一般では、お付き合いが長くなると『倦怠期』がやってくると言いますし」
「……ケンタイキ?」
「一緒にいるのが当たり前になりすぎて、ドキドキしなくなったり、マンネリに感じたりする時期のことらしいです。要するに飽きるんですかね? 私もよく知りませんが」
「……そうなんだ」
「ま、お二人の場合は無縁そうですけどね。なんと言っても、お相手があのクレアさんですから」
──と、シルフィーが言った、その時。
来客を告げるドアベルが、店に涼やかに鳴り響いた。
二人が何気なくそちらに目を向けると、背の高い青年が一人……今まさに名前を口にした、クレアルド・ラーヴァンスが店に入って来たところであった。
「あぁ、エリス。やはりここでしたか。シルフィーさんも、お久しぶりです」
目が合うなり、爽やかな笑みを浮かべ近付いて来るクレア。
中身はさておき、相変わらず見た目だけは完璧な好青年だな……などと思いつつ、シルフィーも微笑み返す。
「お久しぶりです、クレアさん。お元気そうで何よりです」
「シルフィーさんもお変わりないようで。お仕事は順調ですか?」
「えぇ。相変わらず道に迷うことは多いですが……イリオンの一件で度胸が付いたので、人に頼りまくりながらこなしています」
「あはは。それは良い。使えるものは何でも使うべきですからね」
「って、ちょっとクレア。今日は別の用事があるって言ってたじゃない。結局ランチに参加しに来たの?」
そもそも、どうしてエリスのいる店がわかったのか……という疑問は、プロのストーカー相手に今さら聞くことはしない。
それよりも、クレアが少し慌てた様子であることの方が、エリスには気がかりだった。
エリスの質問に、クレアは神妙な面持ちで答える。
「そうであればよかったのですが……実は今しがた、"禁呪の武器"と思われるものの情報を入手しました」
「なっ……」
思いがけないセリフに、シルフィーとエリスは目を見開く。
「それ、本当なの……?」
「えぇ。これから"中央"へ報告に向かうつもりです。お食事中に大変申し訳ないのですが、食べ終えてからで良いので、一緒に来てはいただけないでしょうか?」
「わかった。もう食べ終わるから、すぐに行く」
「いえ、ゆっくり召し上がってください。貴女の食事を邪魔するなんて、これ以上に罪なことは……」
「悪いと思いながらもわざわざ迎えに来たってことは、急を要する状況なんでしょ? 大丈夫。もう十分に味わったから、急いで食べちゃうわ」
言って、エリスは残りのパスタを一気にフォークで巻き取り、口に運ぶ。
その様を申し訳なさげに見つめてから、クレアはシルフィーにも謝罪をする。
「申し訳ありません、シルフィーさん。久しぶりの会食に水を差すような真似を……」
「いえいえ、お二人が抱える使命の重さは重々承知していますから。どうか気にしないでください」
「でも……私との惚気話、もっと聞きたかったですよね?」
「ぶふっ!」
パスタを吹き出しそうになるのを、エリスはすんでのところで堪える。
その口が塞がっているのを良いことに、シルフィーはニヤリと笑いながら肩を竦め、
「そうですね、まだ『お花畑をプレゼントされて嬉しかった』という話しか聞き出せていないので……とても残念です」
「なんと。では、エリスが食べ終わるまでの間、私が代わりにお話しましょう。潜入先の屋敷で書斎を捜索した時の話なのですが、屋敷の住人に見つかりそうになったタイミングでエリスがくしゃみを催しまして。それを止めるため、咄嗟にキ……」
「むむーっ! むぅむむぅ!!」
「あと、屋敷の夜回り係をエリスが幽霊と勘違いして、恐怖に震えるあまり私の部屋に来て、一晩中恥ずかしいコトを……」
「むむむっ! むむぅーー!!」
と、肝心なところを唸り声で掻き消すエリス。
そして、グラスの水をぐびぐびと飲み干し、
「ぷっは! はい、ごちそうさま! くだらない話ばっかしていないで、さっさと行くわよ!!」
火照った顔を誤魔化すように、そそくさと席を立った。
そのまま出て行こうとする背中を眺め、クレアはくすりと笑い、
「……という感じで。今回も仲良く世界を救って参ります」
なんて、およそ救世の旅に出るとは思えないような軽い口調で言うので、シルフィーは苦笑いする。
そこで、店を出ようとしていたエリスがツカツカと戻って来て、
「忘れるところだった。はい、コレ」
と、紙袋を二つ、シルフィーに突き付ける。
「パペルニア領のお土産。『花寄茶』っていって、ポットに入れてお湯を注ぐと、茶葉からお花が咲くの。チェロの分もあるから、渡しておいて」
そう口早に告げると、再び背を向け、
「それじゃ、行ってくる。帰って来たらまたご飯食べよ。次はオムライスね」
そう言い残し、スタスタと去って行った。
「お、お気をつけて……」
という呟きは、果たして届いただろうか。
シルフィーが見送る中、クレアは最後に振り返り、軽く会釈をすると、エリスの後を追うように店を出て行った。
「……相変わらず、嵐のような二人だった」
静かになった途端、どっと疲れが押し寄せ、シルフィーは背もたれに身体を預ける。
思えば初めて出会った時から、あの二人は『食べ歩く嵐』だった。
精霊を味覚と嗅覚で認識できる天才魔導士。
そして、軍部の特殊部隊に身を置く凄腕剣士。
……非才な自分とは、住む世界が違いすぎる。
それでも、イリオンの一件での奇妙な巡り合わせから、こうして今だに縁が続いている。
友人だと思っているのは自分だけかもしれないけれど……
「…………お土産、か」
シルフィーは、エリスから受け取った袋を見つめる。
任務のために訪れた遠い地で、自分のことを思い出し、お土産を買ってくれたということは……
ちゃんと、エリスの"友だち"になれていると、自惚れてもいいのだろうか?
なんて、不覚にも少し、頬が緩むのを感じてから。
シルフィーは、先ほどまでエリスのいた向かいの席を眺め…………
「…………って、もしかしなくても、奢らされた?!」
"友だち"と言うより"金ヅル"かもしれない事実に、独り涙を浮かべるのだった。




