3時間目
「うちの実家いばらきなんだよー」
「え、マジか」
「でもさ茨城ってなんも取り柄無くね?」
「それがーね近くにね、かすみがせきっていうね、大きなみずうみがあるんだー。とってもきれいなんだよー」
「ふーんマジか」
「いいな。俺の実家東京だから自然がないんだよな。釣りして―。」
おい、ちょっとまて。霞ヶ浦だからそれ。霞が関はビルだよビル。それでも建築科だろ、日本の建設業界ホント不安。目の前に超高層ビルでもあんのかよ。視界遮られてるからそれ。もやは自然らしさゼロ。
ところで僕は腕をクロスさせ机と対面してヒュージョンしている。俗に言うつっぷしの状態だ。クラスの奴らの会話を聞きたい放題なのがこの姿勢だ。寝てると見せかけ、耳だけ傾けている。つまるところ、この姿勢はマジで神なのである。おっと、さっそくきこえてきましたよ、はい。
「あいつまた寝てのかよー」
「寝てる割には背はちびだよな」
「ちび(笑)」
今の謎の笑いなに⁉
「ほんとどんだけ机好きなの」
好きじゃねーし。
「友達いないのかよ、まじぼっちじゃんウケる」
そこは否定しないけど、ていうか入学早々群れだすとかどんだけコミュ力高いの。あと全っ然うけないから。
「あいつの筆箱見ろよ、SA⓪のアスカのストラップつけてるぜ、しかもアニメント限定版とか、ヲタクキモ」
SA⓪しってる時点でお前もヲタクじゃん⁉っていうかよく限定版わかったな。
「死ね」
、、、、、、、、、、。
全部聞こえてんだよ、コンチクショー。さすがに心がプラスチックの僕でも今のは割れましたよ。死ねってなに、ちょっとヒドクナイ⁉
涙が出そうな目をこらえ僕は顔を上げた。ん、先生が立っている。
「はい?」
僕は先生に呼ばれた?
「犬飼、具合悪いなら保健室行くか?」
僕は完全に寝落ちしていたらしい。




