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勇者≒魔王  作者: 玄米茶
2/9

第2話 日常→前兆

ついに第2話。

物語はすこしづつ進み始めます。


少し、短めとなっています。

ご了承ください。

ーーーー2015/07/18 09:41 武蔵中原駅前


 駅前はお昼前だからだろう、旅行に行くためと思われるキャリーバッグを引いている人や、友人と出掛けるために日陰で待ち合わせしている人等、様々な人たちで賑わっている。

 駅の出口から出てきた茜もその一人で、日射病防止のすこし大きめの帽子に白いワンピース、小さな肩掛けバッグとすこし気合いのいれた姿をしてきた。


 待ち合わせは10時。

 目安は15分前で行動しているためすこし早めについてはいる。

 そうでもないと大抵待ち合わせ相手の方が早くに来てしまうのだ。


 案の定、茜の待ち合わせ相手である遥は既にその場所に着いていた。


「……ん?あれ?茜、早くないか?」


 青い半袖のジャケットに白のTシャツ、水色のチノパンという整った姿をした遥は茜が来たことに驚いた。


「遥さ……普段はどのくらいに着くように行動してるの?」


 呆れた顔で遥に問いかける。

 そもそも待ち合わせの時間の10分前とかでも問題がないはずなのに、少なくとも15分以上前には着くようになっている遥に呆れているのだ。


「あー、とりあえず30分前には着くようにしてるよ」


 あっけらかんと答える遥に対し、思い切り肩を落とす茜。

 それもそのはず、女性として待ち合わせより少し早めに来ているのだが結果はそれでも遅いときたら当たり前だろう。


「早めに来るのはいいことだけど、それだと女性の立場がないよ……」


「そうか?誘われたとはいえ、女性を待たせるのはマナー違反だろ?」


 こういうところは前から変わらない、茜はしみじみ感じていた。

 遥は昔から色恋沙汰には全く興味がなさそうなのに、ちゃんと気遣いができる天然ジゴロである。


 それゆえ勘違いされることもよくあるが、当の本人は全くもってそんな気はないのが余計に拍車をかける一因でもある。


 さらに、女性からの好意は素直に受けとるが、それはあくまでも付き合いの上でときっぱり割りきるところもあり、一部からは朴念仁とも呼ばれている。


「……遥、相手が私だからいいものの……勘違いされるからね、その言葉」


「勘違い?」


「あぁ、いや、理解してないのならいいよ。気にしないで」


 遥はまるで頭の上に?マークを何個も出しているような複雑な表情をしているが、茜はこの事に対しては既に諦めている。

 諦めている、というのは茜は前から遥に対し恋心を抱いているが、遥は全く気付けていないのだ。


 いくらアピールしても、反応はいつも通り。

 たまに強引にいっても、気付いたら流されている。


 そんな遥だからこそ、茜は恋心を余計につのらせているが……同時にいまの状況に安心している面もあるのが複雑なところでもある。


 要するに『遥には恋人は当分できない』 ということだ。


 変人扱いや腫れ物に触れるような扱い、さまざまな扱いをされてきた遥だからこそ、他人への配慮が出来ている。


 なるべく、巻き込まないように、と。


「結局、どういう意味かよくわからないんだけど……」


「わかったらそれはそれで私が驚くよ」


「……うーん、なんなんだそれ」


(まぁ、そこが遥らしくて好きなんだよね……本当に。このままでも、幸せだから)


 心の中で茜はそう呟いた。

 あわよくば、このまま幸せな日々が続きますように、と。


「はいはい。悩んでないで私の買い物付き合ってね!」


 茜は遥の腕をぐいっと引っ張り歩き出すと、遥はそのままつられて歩き出す。

 思い切り、明るい笑顔で商店街の方へと。





 二人の関係を切り離してしまう事件が、もうすぐ起きてしまうという事も知らずに……。

第2話、いかがでしたでしょうか?


やっと……物語が進み始めますね。

個人的にはもうちょっと学園パートを続けたかったです(笑)


だいたい2、3日づつ更新していきますので、ぜひ気になったときにまた見ていただけたらと思います。

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