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月女神の庭で。  作者: 祐多
第二章
25/31

護衛──2

 





 天気は快晴。雲一つない、というわけではないが、気象学上では快晴に分類されるであろう天気だ。



「おはようございます」



 南門の近くの広場に集まった冒険者たち。その大半は厳つい顔立ちの男である。中には女性もいるが、逞しい腕と足を剥き出しにした彼女たちは、何とも勇ましく見えた。



「おう。……坊主も護衛依頼受けたのか?」



 近くにいた男に声をかけると、男はニカッと笑ってルラの頭を乱暴に撫でてきた。どうやら、全く女だと気がつかれていないようだ。


 今のルラは晒代わりの布を胸や胴に巻いて、男装をしている。

 黒いカッターシャツに同色の麻のズボン。暗褐色の膝上まであるブーツに金属製の胸当てや肩当てや肘まで覆う黒い籠手。防具はそれぞれ銅貨数枚からか銀貨一枚までのて安物であるが、ルラが裏に防御の魔方陣を刻んだためそこらのものよりも丈夫になっている。



「はい。若輩者ですが、宜しくお願いします」



 真面目くさって頭を下げれば、どうやら気に入られてしまったらしい。ごつごつとした手で強引に肩を組まれて談笑する他の冒険者たちの元へと連れていかれてしまった。



 ──男の名前は、ギースというらしかった。他の冒険者たちと会話を交わしているうちに知ったのだが。

 どうやら冒険者があと一人来ていないらしい。しかし、時間的にはまだ余裕がある。依頼書によれば、精霊の刻から二刻後までに集合とのことであったため、あと半刻近くのんびりしていられるようだ。


 依頼主は門の辺りにいるらしい。そちらの方を見てみると、確かに荷馬車が一台、二台……全部で六台もあった。しかも、そのうちの一つは二頭立てだ。重いものが積まれているのだろう。


 ここにいる冒険者たちは『気紛れ猫』というDランク五人のチームと、『竜鱗』と呼ばれるCランク二人とDランク二人のチーム、それから『荒れ狂う一角獣ユニコーン』というEランク三人のチームで、残りのルラを含めた三人はソロである。

 ちなみにギースは『竜鱗』の一員であり、Cランクらしい。Dランクの掲示板で見つけた依頼を、チームで受けることにしたそうだ。



「『ユニコーン』には気を付けろ。いい噂は聞かんで」



 ギースは注意を促してくれた。他の冒険者たちから離れた場所に顔を歪めて立つ『荒れ狂う一角獣』の三人を示すギース。無精髭に、スキンヘッドに、筋肉達磨。それがルラの『荒れ狂う一角獣』の三人に対する印象である。

 ギースも無精髭を生やしているが、受ける印象は三人とは全く違う。ギースが肩に担ぐ槍は、使い古されてはいるものの丁寧に手入れがなされているが、あの三人の武器はそうは見えない。所々に血がこびりついたような跡があったり、一人が背負う大鎌など刃がかけている。

 そして何より、瞳が違った。三人の瞳は淀んでいるのだ、死んだように。



(絡まれないようにしないとなぁ……)



 絡まれたら面倒だ。極力、彼らには近づかないようにしよう。



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