04,サプリの魅力
自宅の高級賃貸マンション「ライオンパレス24」に帰ってきたアイリはさっそくお風呂を沸かして入った。彼女の入浴時間は通常半身浴でたっぷり1時間半掛かるのだが、この日ばかりはカラスの行水で、バッチリショーメイクをがっしりクレンジングオイルで落とすと、大事な髪だけていねいに洗ってトリートメントを染み込ませ、じりじりしながら待って洗い流し、早々に上がった。
体をバスタオルで叩いて水分を吸い取らせ、ふんわりバスローブで裸身を包む。アイリは他のモデル同様自分大好きっ娘だ。頭もバスタオルをターバン巻きして髪の毛をまとめ、洗面所の鏡に見入った。
さあ、アイリ! もっと綺麗になるわよ!
鞄から大事にテーブルの中央に置いておいた小瓶から中身を湯気で湿らせないように慎重に小皿に粉末を1さじ分取り出した。
さて。
『お肌に塗っても、飲んでも、食事に混ぜて食べてもいいの!』
と言うことで、アイリは普段通販の「真珠輝」を、化粧水として液体タイプを肌に直接付けて使っていた。粉末タイプも食事に混ぜて使っていた。それ以前は「栄美丸本舗のマリンコラーゲンシリーズ」を使っていて、それも良い商品だったが、「真珠輝」の方がなんというか、野生のパワーのような力強さがあった。
その代わり少し生臭かった。
「栄美丸本舗」は「海洋性コラーゲン」と謳い、原料を鯛、ヒラメの甲殻質……つまりうろことはっきり表示している。無味無臭で、さらさらして、質の高さは最高だ。
一方「真珠輝」は「動物性天然コラーゲン」というだけで、成分表示はされているが、細かい原材料表示はしていない。
想像するに、長崎のどこぞの田舎で、伝統食として食べられてきた物が、村おこし会議で目ざとい誰かが「これって流行りのコラーゲンっつうやつだべ? 若いギャルに受けるんでないけ?」(←地域の特有言語は都会の無知なギャルの想像)と提案し、村総出で作り上げたのが「株式会社 真珠輝」ではないだろうか? その社長にかつぎ出された村長か身内の地域セレブリティーが白金ユイの父親なのだろう。
生臭くあか抜けない「真珠輝」だが、そのべったべたの田舎パワーが、効くのだ。
アイリは冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを持ってくると、慎重にスプーンに注いで、皿の縁から空けた。粉末と混ぜ合わせて濃さ…粘りけを見る。おお、もちもち! あんまり薄めたら効果が下がるだろうからこれでよしとして、さて、指先に付けてほっぺたにポンポンと叩いてみた。
ん?
アイリは大きな目をまん丸にした。
なにこれ! 市販の製品と全然違うじゃない!?
口の両端がにんまりとつり上がる。
野生のパワー100倍よ!
アイリは鏡を見ながら顔にまんべんなくポンポン溶いた液体を塗布していった。
染み込み方が半端ない。内側にスッと溶け込んで、皮膚の下でプルプル震えるようだ。ムニッと指で押すと光のリングが出来て……それはまあ塗ったばかりで肌が濡れているから当然だろうが、放すと、ポン!と跳ね返ってくる弾力だ。
これは効く! 絶対に効く! ああ、もう、なんて狡いんだろう! こんな物を子どもの頃から独り占めしてきたユイ、そしてこっそり手に入れていたカノン。あんたたち、狡いわよお?!
と、アイリは鏡に映した自分の顔を見てきゃっきゃと喜ぶのだった。
さあ、今日は早く寝よう。明日目が覚めたら、わたしのお肌は天然最高級真珠のように白く内側から透明に輝いているわ!
イベントから1週間後の火曜日、都内某おしゃれ界隈でプチセレ来月号の写真撮影が行われていた。
この日撮影に呼ばれていたのはウララ、アイリ、カノン、ユウミ、そしてユイの、いわゆる「ウララグループ」。
プチセレ専属モデルたちは3つの派閥に分かれていた。
上記ウララグループと、
例のシズカグループ、
それにナユハグループだ。
この内ナユハグループは中立だが、ウララグループとシズカグループは対立が激しい、と言うか、ウララグループのカノンとシズカグループの頭(ヘッド)シズカが仲が悪いので他のメンバーはその割を食わされている感じだが。例えばウララなんかはモデルみんなから頼られるみんなのお姉さんで、シズカとも仲は悪くない。要は、問題の中心に常にカノンありなのだ。
この日の撮影でもカノンがちょっとした騒動を巻き起こした。
撮影はおしゃれな街並みをバックに、1人で、2人絡みで、3人絡みで、4人5人グループでと、撮影されていく。今日のファッションは真夏の8月号、ノースリーブやTシャツ、ショートパンツやミニスカートの、特に肌の露出の多い衣装だ。
天気は幸い梅雨の晴れ間で、気温も寒くはないが、湿気が多くてべたべたするのは特に髪には最悪だ。
「プチセレ」は「ちょこっとセレブ」の名の通り、ちょっと上級おしゃれの、どちらかと言えば保守的な、一般女の子がちょっと頑張って、一番おしゃれを楽しみやすいゾーンを狙ったファッション誌だ。
掲載される写真もモデルの女の子たちの和気あいあいとした楽しげな雰囲気が溢れた物なのだが。
この日のカノンはどうも最初から顔色が優れなかった。アイリのことばかり気にしているのはいつものことだが、その目がいつもと違って、青ざめたように、険悪だった。
見られているアイリの方は最高に上機嫌で絶好調だ。カメラマンにも「アイリちゃん!いいねえ!」を連発されて、笑顔が絶えることなく輝いている。
そう、この日アイリは輝いていた。
梅雨時とは言え紫外線降り注ぐ屋外の撮影はモデルたちにとってお肌と髪のケアがたいへんだ。
そんな中アイリは余裕綽々で、なにしろ夏の号のことなので、日向で大きなレフ板に光を当てられての長時間連続の撮影もまるでひるむところがない。
過酷な撮影でもアイリのお肌は健康的にピチピチ輝いている。それに、白い。人工的に塗った物ではなく、内から肌の白さが輝きを放っている。肌の白さは女の自信。アイリは最高の笑顔をも輝かせているのだ。
カノンはそんなアイリを後目に、ユイの腕を掴んで建物の陰へ連れ込んだ。
「ちょっと、ユイ。どういうことよ?」
今日白く輝いているアイリに対し、1週間前のショーの時にはあんなに白く輝いていたカノンの肌は、今は普通に戻って、ファンデーションのメイクで肌色を作っている状態だ。恐い目で責められたユイは小さな声で
「ごめんなさい」
と謝った。カノンは許さない。
「サプリはもう無いって言ったわよね? じゃあ、アイリさんのあの肌は何よ? あんなの……あなたのあのサプリ以外にあり得ないじゃない?」
カノンはユイの腕をがっちり掴んで逃がさないようにしている。ユイは恐れおののきながら白状した。
「ショーが終わってパーティーに行く前に、わたし忘れ物しちゃって控え室に戻ったの。そうしたらアイリさんがわたしの忘れたバッグを開けて、『これは何?』ってサプリの瓶を取り出して…」
「なあにあなた、よりによってあの瓶を忘れてきちゃったの?」
「ごめんなさい…、わたしすっかり舞い上がっちゃってて……」
「それで、どうしたのよ? 瓶、アイリさんに取られちゃったの?」
「ごめんなさい、仕方なかったの……」
「まったく」
カノンは忌々しそうにユイから顔を逸らしてようやく腕を放した。ユイはきつく握られて赤くなった肌をカノンから隠れるようにしてさすった。
カノンがユイからもらった粉末はとっくに切れていた。そうしたら2、3日経ってすっかり元通りの肌に戻ってしまった。元に戻っただけなのだが、一度あの肌の輝きを体験した後ではどうにも今の肌では我慢できなかった。再びユイの方を向いて訊いた。
「どうなの? 実家からまだ新しい自家製サプリは送ってもらえないの?」
「ごめんなさい。今会社のことが忙しいみたいで、新しく作っている余裕がないそうなの」
「困ったなあ。それって誰か人に言って作らせられない物なの?」
「特殊な作り方だから、他の人にはちょっと……」
「どう特殊なの?」
「それは…………ごめんなさい、それは言うわけにはいかないの」
泣き出しそうに唇を噛んで、それを見てカノンも仕方なくため息をつくと、笑顔を作ってユイをハグし、頭を撫でてやった。
「ああごめんね。ユイを責めるつもりじゃなかったの。ユイのおかげなのに、わたしったら駄目だなあ、つい焦っちゃって。ごめんねえ、ユイ。仲直りしよう?」
「うん」
二人は額を寄せ合い、微笑み合った。
ひとまず落着と離れたカノンは、腕を組んだ。
「でも困ったなあ。あれがないとわたし、アイリさんに勝てないよ」
「勝ちたいの?アイリさんに?」
不思議そうに問うユイに、カノンはばつが悪そうにしながら本音を打ち明けた。
「そりゃあね、やっぱり勝ちたいわよ。もう少しなのよ、もう少しで、目標にしてきたアイリさんを越えられるのよ。先週のショーでは、わたし、アイリさんに勝ってたわ! アイリさんに勝って、わたしがトップになりたいのよ!」
一瞬の栄光を思い出し、やっぱり苛々と、諦めきれないように訊いた。
「サプリ、どうにかならない? お金なら……そんなに多くは無理だけど、出すから……」
ユイは首を振った。
「ううん。お金はいいの。でも、本当に今は手に入らないの。ごめんね」
カノンはがっかりため息をつきながら、
「ま、それじゃあアイリさんだって同じか。サプリが切れればアイリさんだって元に戻っちゃうわ。そうしたら、わたしと同じ喪失感を味わえばいいんだわ」
と、今度は意地悪に笑った。
「戻ろうか? 探しに来られると困るわ」
「ええ」
カノンの後ろについて歩きながら、ユイはべろんと舌を出し、にゅっと口の端をつり上げた。
ユイの舌は、あごの先を越えるくらい長かった。
彼女は嘘をついている。アイリには自分から粉末の小瓶を与えたのだ。
彼女はどうやら生来の嘘吐きのようだが、その嘘で、いったい何を目論んでいるのだろう?
撮影に戻ると、アイリ、カノン、ユイで絡みの写真を撮った。
いつもなら大喜びでアイリと組みたがるカノンが、この組み合わせはすごく嫌がった。美白ペアに対して一人だけ色黒(と、全然本人が思うほどではないのだが)だったからだ。表情が冴えず、何度もカメラマンから駄目出しされてしまった。
何とか撮影が終わると、とうとう癇癪を起こしてアイリに食ってかかった。
「狡いわよアイリさん。わたしにもユイのサプリ、分けてちょうだいよ!」
おろおろするユイを気にかけて、アイリは「ハアッ」と強く息を吐くと、いつにないきつい目つきでカノンを睨んだ。
「あんたさあ、いい加減わたしの真似するのやめてくれない?」
「はあああ?」
カノンはわざとらしく呆れたように大口開けた。
「どっちが真似よ? わたしがもらうはずだったサプリ横からかっさらったくせに!」
アイリも挑発に乗らないようにしながらつい苛々が隠せずに腕を組み、攻撃的なポーズを取った。
「言いがかりね。あんたが譲ってもらうって、契約でもしてたの?」
「そんなこと…、友だちだもの、約束したのよ」
「どうせ一方的に決めつけたんでしょ? あんたはね、あつかましいのよ。人の迷惑も考えずに勝手に馴れ馴れしくして、鬱陶しくて、迷惑なのよ」
「ひっどーい……」
カノンは憧れの相手にまともに罵倒されて涙を浮かべて後ずさった。
「わたし、本当にアイリさん大好きなのに……」
女の涙も同性には通じない。アイリは腕を組んだままフンとあごを逸らして見下した。
「白々しいのよ。あんたはわたしになりたいだけなんでしょう? わたしが好きで友だちになりたいわけじゃないんでしょ? この、コピペ女」
「コピペ女……」
早口言葉みたいだ。浮かんだ涙が悔しさに染まり、カノンの顔つきがガラッと変わった。
「そう、そこまで言うんだ。ずうっとリスペクトしてきたのに。そう、分かったわよ……」
じいっと暗く思い詰めたような目つきにさすがにアイリもちょっとゾクリとした。
「まあまあ」
みんなのお姉さんウララが仲裁に入った。
「カノンは我が儘言わないの。アイリも、言い過ぎよ? あんなこと言ったら傷つくわよ。謝りなさい」
「ごめんなさい。悪かったわね。じゃあお願いするからもうわたしの真似はやめて」
「アイリ! やめなってば!」
積年のうっぷんがこの時とばかり噴き出して、二人の対立はもはや決定的なようだ。アイリは煙を噴きそうに恐い目でカノンを睨み付け、カノンは何か思うところのあるような屈辱的な目でじいっと見つめ返していた。さすがのウララもお手上げのようで、暗い顔をした。
「あのー……」
ビクビクしながらユイが小さく手を上げて発言の許可を求めた。
「ごめんなさい、サプリはすぐには用意できないんですけれど、あのお…、どうしても欲しかったら、作りに来ませんか?……」
え?と三人ともまともにユイを見た。
「いえ、あの、無理だったら……ごめんなさい」
余計なことを言って申し訳なさそうにするユイにカノンが接近し、両肩を掴んだ。
「自分で作れるの? 出来るの?」
「え、ええ…、島に、来てもらえれば……」
「島?」
「すみません、家、ど田舎の、島なんです」
アイリも興味津々でシリアスな顔で訊いた。
「長崎県の?」
「そうなんです。やっぱり、無理ですよね? ごめんなさい」
「行く。行くわよ、長崎くらい。ブラジルの奥地だって行ったってかまわないわよ」
ウララが訊いた。
「なんでブラジル?」
「アマゾンのジャングルよ。深い意味はないわ」
ウララとアイリのつき合いは長い。つまらないボケはなかったことにしてウララもアイリといっしょになってカノンを押しやりユイに詰め寄った。
「招待してくれるの? 南の島に?」
「いえあの、南の島と言えば南の島なんですけれど、そんなにいい物じゃあ……」
苦笑するユイを置いてウララは南の島のバカンスにトリップした。
「青い空、白い砂浜。誰もいないプライベートビーチ。いいわあ……」
「ですから、ハワイじゃありませんから」
もはやユイの謙遜もカモメの声に邪魔されて聞こえない。
「ハワイですか?」
と勘違いしたユウミと、
「おいおい、旅行に行くならスケジュールを確認してからにしてよ?」
と心配したマネージャーもやってきた。
「あのー、違うんですけどー……」
と苦笑するユイを置いてけぼりにわいわい勝手に盛り上がってしまった。
「シャーーラーーーップ!」
カノンが両腕を広げて喧噪を制した。
「行くわよ、美白のためなら長崎くんだりくらい。いつ行く? 明日? 来週?」
「一人だけ行かせないわよ! ユイ、当然わたしも行くわよ!」
カノンとアイリは今やライバル心剥き出しで火花を散らしながらユイに迫った。
「いえ、そう簡単には。わたし大学もありますし、なにしろ遠いですから、最低でも5日間、出来れば10日間くらいは日程取ってもらわないと」
「10日か……」
それだけの大旅行となるとさすがにおいそれとは行けない。
「今どきそんなに必要なの? だって、そこから全国に商品の発送もしているわけでしょう?」
カノンが疑わしそうに訊く。ユイは困って
「なにしろ島ですから」
とくり返した。
「なになに? みんなでユイちゃんの実家に遊びに行くの?」
いささかユイの事情に詳しそうなマネージャー……宮澤葵32歳が楽しそうに言った。彼女はモデルそれぞれのマネージャーではなく雑誌プチセレでモデルの管理をしている出版社のエージェントだ。彼女自身元モデルで、仕事の出来るさっぱりお姉さんだ。プチセレのモデルたちはマネージメントも自分の仕事で、一々現場にモデル事務所からお付きのマネージャーが付いてくることはあまりない。
「確かに遠いわよねえ。10日間も休みを取るなんてこちらとしてもおいそれと許可するわけにはいかないわね」
がっかりする女の子たちを見渡して葵マネージャーはニッと悪戯っぽく笑って提案した。
「夏休みにみんなで行くっていうのはどう? 真夏に南の島でバカンスなんて、企画としていいんじゃない? 編集部の方にわたしから提案してあげるわよ?」
「じゃあ取材費ってことで旅費その他諸々そっち持ち?」
しっかり者のユウミが嬉しそうに訊いた。現金さに笑いながら葵は
「取材となればもちろん予算からお金出してもらうけど、ユイちゃん、お家の方、そういうことでいいかしら?」
とユイに訊いた。みんなもユイの答えに期待を持って注目した。
「ちょっと待ってくださいねー」
ユイはみんなの包囲を抜け出してパタパタ走っていくと、自分のバッグから携帯電話を取りだしてどこかにかけた。
「もしもし、ママ? ユイでーす。あのね、夏休みのことなんだけど、モデルの皆さんといっしょにそっちにお邪魔したいの。それでね、雑誌のマネージャーさんから……」
と、どうやら実家へかけたようで、雑誌の取材も兼ねてということを説明した。
「うん。うん。分かりました。はーい。それじゃあ」
電話を終えたユイに、
「どうだった?」
とみんな期待いっぱいに訊いた。
「はい。オッケーです。大歓迎でお待ちしてますって。雑誌の方へもスポンサーの申し込みをしたいそうですから、葵マネージャー、よろしくお願いしまーす」
笑顔の報告にモデルたちはみんな「やったー!」と大喜びした。
喜びながら、カノンは電話の会話で気になったことを訊いた。
「お母さんに電話しただけでいいの? お父さんは? 社長さんに了解聞かないでいいの?」
「ああ、はい」
ユイはニッコリ笑って答えた。
「うち、女系で父親はいません。社長は、母です」
「あ、そうだったんだ」
言い方に『?』の部分があるが、化粧品会社は特に女性の社長さんが多いからお母さんが社長というのも別に不思議はない。
カノンはもう一つすごく気になることを葵に聞いた。
「みんなでってことは、当然他のモデルも?」
カノンの言いたいことがよおく分かっている葵は完全無視の笑顔で言った。
「当然よ。ま、長期になるから参加は各自の希望に任せることになるでしょうけれどね」
カノンはべーと舌を出して鼻の頭にしわを作り、
「来るな、シズカおばはん」
と呪いの言葉を吐いた。子どもっぽく開けっぴろげなところにモデル仲間は苦笑し、アイリさえつい笑ってしまった。
葵がさっそく大きな手帳でスケジュールを確認した。
「うーん…、やっぱり8月の頭しかないわよね。8月の前半、お盆にかけてっていうことで、いいかしら?」
「いいでーす!」
と、みんなすっかりバカンス決定で盛り上がった。
「ユイちゃん、よろしくー!」
「はい」
ユイもニッコリ笑って答えた。
「蛇島へ、ようこそ」