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おっとぉ?

掲載日:2026/02/25

短編です

 言わなきゃよかった。安直に“話聞くよ”なんて。そもそも私は人の悩み相談を受けるのに適していない。

「だから私言ったの!私と仕事どっちが大切なのよって!」

 あぁ~、典型的なセリフ。これはかなり賛否の分かれるセリフだと思うんだよね。言われた相手側は、“君が大切だから仕事してるんじゃないか“って思うし、言った側は、”仕事ばかり優先しないで、私の優先順位を上げてよ!“って思ってこの言葉を言ってると思う。つまり優先順位というかなんというか・・・。あぁ~。この手の答えの出ない悩みは、聞くの大変なのよね。

「まぁ仕事しないとお金はなくなっていくし・・・」

「それはわかるの!それでもね!?帰るときに“今から帰る”とか、何か買って帰るなら報告する、とかそういうことはできると思うの!ってかそうしてくれないと、夕飯作ろうにもタイミングがつかみづらいし、何ならこないださ、何時に帰ってくるの?って連絡送ったのに返事もなくて、急に帰ってきて“まだ夕飯ないの?”って不機嫌な顔されたの!しかも作ろうと思ってた唐揚げ揚げ始めたらさ、“昼に唐揚げ食べちゃった”とか言われたの!!」

「あぁ~・・・ソレに関してはちょっと何も言えないなぁ」

「じゃぁ先に言えよって話じゃん!何のためにスマホ持ってんのあいつぅ!!」

 ここまで来ると、正直、「もう別れたら?」って言いたくなってしまうのが私の悲しいサガ。話を聞く限り、相性あんまり良くないと思うんだけどなぁ。

 でもここで私が「じゃぁもう別れたら?」って言えば、今度は泣きながら、彼の良い所を挙げだすの。なんでわかるかって?今の彼と付き合ってから、もう5回はこの会が開かれていて、毎度同じ結果に落ち着くから。さすがの私も学習した。

 でもこんだけ愚痴が沢山零れてきても、別れないんだからすごいと思う。私は絶対すぐに別れてしまう。まぁ、だからいまだに独り身なんだけどさ。

「でもさぁ・・・もう同棲して3年も経つわけだし・・・あたしももうちょっと考えないとなぁとは思うの。だってもう33歳だよ!?結婚適齢期が過ぎていくよぉ!!あいつと別れたら次見つけるのなんか無理だよぉ」

 やばい、泣きが始まる。しかも今回は珍しく気落ちしていくパターンだ。今までにないぞ?どうしよう。

「本当は優しくてさぁ・・・今、職場でかなり重要な案件任されてるって言ってたから、仕事が忙しいのもわかってるの・・・だから仕事以外でストレス与えたくないんだけどぉ・・・」

 目に大粒の涙が浮かぶ。あぁ~まって、カフェで泣かないでぇ・・・。と思ったけど、駄目、こうなるとこの子はすっきりするまで泣き止まない。勘弁してよぉ・・・。

「アタシだってイライラしたくないしさぁ!でもさぁ!やっぱり一緒に住んでると、嫌な面ばっかり目についちゃってぇ!つい小言みたいなこと言っちゃうのぉ!でも最近デートだってしてないしさ!仕事の帰りは遅いしさ!休みの日も急な仕事とか言っててさ!アタシだって、仕事中にあった嫌なこととか話してさ、二人で愚痴って笑いあいたいの!そういう他愛ない時間を過ごしたいのぉ!」

 声がでかい。まぁ、今日は思う存分泣かせてやるか。店員さん落ち着いて、大丈夫ですよ、とジェスチャーを送る。はぁ、どうしたもんか、とカフェの外を見ると、件の彼氏と目が合った。

「え、なんで・・・」

「なに?」

 しまったと、思った瞬間、顔を真っ赤に泣きはらした顔の彼女が顔を上げた。彼女の目には、彼と腕を組む見知らぬ女が映っていた。



——ちょっと、それは・・・話が変わってくるよねぇ——

これは・・・www

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