表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/79

第7章 - すべてが始まった場所

アシナ、カイル、そしてカエリラは森の中を黙って歩いていた。

雨粒は木々の間を伝い、葉や石に滴り落ちる。まるで自然自身がそこで何かを嘆いているかのようだった。


そして…彼らは立ち止まった。


目の前には荒れ果てた光景が広がっていた。

木は途中で折れ、地面はひび割れ黒く焼け焦げている。

空気には奇妙な静寂が漂い、動物は一匹も近づかなかった。

まるで森がその場所を尊び、または恐れているかのようだった。


カエリラ(周囲を見渡し、驚いて):

「こ、ここで何が起こったの…?」


アシナは微笑んだが、それは誇りの笑みではなかった。

危険な記憶を帯びた、野性的な笑みだった。

一方、カイルは真剣な表情を浮かべていた。


カイル:

「ここは、俺とお前の母さんがかつて大いなる敵と戦った場所だ。

この場所には…その戦いの痕が残っている。」


彼は重い視線でカエリラを見つめた。


カイル:

「俺はお前の母さんの印を受け入れなければならなかった。

あいつに支配されないために。

あいつの目的はすべてを破壊することだった…

新しい空っぽの世界を創ること。

そして、その怪物は…俺の父親だった。」


カエリラはしばらく黙った。

そして雨で濡れた地面を見つめた。

そこに映ったのは、母の尾が戦旗のように揺れている姿だった。


カエリラ:

「それは本当なんだね…

部族の狼たちは、祖父は原初の狩人だと言っていた。

でも…なぜ祖父はあなたとお母さんを殺そうとしたの?」


アシナが近づき、その圧倒的な存在感で会話に割り込んだ。


アシナ:

「彼は狩人だったからよ。

最も恐れられた狩人。

そしてカイルを無限の爆弾として使おうとした。

存在するすべての原初の者たちを消し去る、生ける武器として。」


カエリラ(恐怖で):

「…それはつまり…?」


アシナ(遮って):

「そうよ。

カイルは父親より強くなるために作られた。

でも、彼はそれを一人で成し遂げられなかった…

それはまだあなたが完全には理解する必要のないこと。」


カエリラは敬意を込めて頷いた。


アシナ(カイルを見て、嬉しそうに):

「よし…

じゃあ戦いましょう、パートナー。

よく見て、娘よ…

お前が生まれる前の、母さんと父さんの戦い方を。」


アシナとカイルは、森の中の荒れ果てた空き地へ歩いて行った。

そこはまるで森の中に取り残された小さな砂漠のように、乾燥しひび割れた大地だった。


彼らは離れ、遠くから睨み合った。

雨は降り続き、立っているカエリラは青と赤に輝く瞳でそれを見つめていた。気づくことなく…


アシナとカイルは戦闘態勢を取った。

身体は動かず、その周囲にオーラがみるみるうちに広がる。

古の戦いが、今まさに再び始まろうとしていた…



---


続く…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ