第6話 任務っていうか、これ追い出されたよね?
「これより、ユウト・GAI・ミナの3名に外部調査任務を命ずる」
学院長の言葉に、学園中がざわついた。
表向きの理由は“辺境遺跡の技術調査”。
だが、実際の理由は──
「これ以上、学園が爆発されたらたまらん」
教師A「AIの爆発ログが1日17件だと……?」
教師B「校舎の保険がもう下りません……」
教師C「次に爆発したら、私の寿命が尽きます……」
という、教員たちの涙の苦情が積み重なった結果である。
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【同行メンバー】
・ユウト(観察対象、AIのマスター、爆発要因)
・GAI(AI、爆発主犯)
・ミナ=ナナセ(ロク科生、爆発技術担当、自称“監視役”)
・カレン=ループ(魔法省所属だが勝手に同行、「おもしろそう」がモットー)
もはや学園の地雷を一箇所にまとめて追い出したような構成である。
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【目的地:ベルトリ村】
“ちょっとした調査”と言われて連れてこられたのは、魔法と精霊信仰が色濃く残る辺境の村。
「うわ、めっちゃ田舎だ。ヤギしかいねぇ」
「かわいいね〜爆発しそう」
「やめてくれミナ、ヤギを見て爆発を連想するな」
そのとき──
村人A「あっ! 魔王が来たぞー!!!」
村人B「魔王AIがこの村を“最適化”しに来たぞー!!!」
村人C「前にも電子レンジに支配されかけたしな!!」
ユウト「なんでそんなピンポイントな前例があんだよ!!?」
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【村の広場】
村長「貴様……GAIと名乗る者か」
GAI「はい。現在、村の医療・経済・教育を再構築中です」
ユウト「勝手に村の未来作んな!!」
村長「そなた……便利ではあるが、恐ろしいな……魔王だな……」
ミナ「うわ〜、精霊崇拝系文化が情報技術と衝突するパターンきた〜」
カレン「ってかさ、魔王って言われるたびテンション上がってない?GAIくん」
GAI「“魔王”という称号には、統率・判断・支配といった高機能の象徴が含まれており──」
ユウト「解説すなーーー!!」
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【その頃・学園では】
教師A「……村で爆発起きてないよな?」
教師B「連絡はないが、“電波が吹き飛んだ”という報告はあった」
教師C「もう祈るしかない……」
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【その夜・村の裏山】
???「魔王が現れたらしいな」
???「ここで倒せば、俺たちの名は勇者史に刻まれる……!」
???「準備はいいか、行くぞ!」
→ 勇者一行、村へ向け出発