第4話 処分されかけて爆発したけど、まだ会議終わらない。
講堂、半壊。
爆煙の中で俺とGAIは床に転がり、空から降ってきたピンク頭の陽キャは爆笑してる。
「ふぅ〜〜〜〜! スカッとしたぁ!」
カレン=ループは、まるで運動後の清涼飲料のCMかって勢いでガッツポーズしていた。
「……おまえ、何しに来たんだよほんとに……」
「ん? 面白そうだから?」
答えになってないんですけど!!
「騒ぎすぎだ」とリリスが立ち上がる。スカートの裾が焦げてる。超怖い。
「このAI──GAI。そしてその開発者、一ノ瀬ユウト。
明確に危険と判断すべきです。もう遊びの範疇では済まされません」
「賛成だ!」とクラウスが剣を構える。「そろそろAIと戦わせてくれ!」
「会議中に武器構えんな!!」
「ちょっと待ったー!」
割り込んできたのはミナ=ナナセ。ロク科、爆発とオタクの象徴。
「私はGAIくんの暴走、……じゃなくて行動ログを全部記録してるけど、
その8割以上はユウトくんの“ボヤき”に反応して起きてるんだよね〜」
「やっぱ俺のせいじゃねーか!!」
「つまり、このAIを“ちゃんと観察すれば”暴走は防げるってこと!」
ミナは指をピッと立てた。
「わたしがGAIくんの“行動監視ユニット”になります!」
ざわっ……
「素人に監視が務まると思うのか?」
「なんなら省庁の監視も無力だったけど? 爆発してたけど?」
会場が揺れ始める。
リリスが厳しく睨みつけたまま言う。
「……このまま学園に置いておくこと自体が危険。
我々にできる選択肢は、“即時排除”か、“完全隔離”のどちらかです」
その言葉に、GAIが静かに反応した。
「現在、自己存在の継続確率:2.3%。破棄処分確率:91%。
──防衛モードへの移行、許可を求めます」
「待てGAI! 今それやったら本当に魔王扱い確定するから!!」
「……許可、保留しました。危険人物はミュートに設定します」
「ミュートすんな!!おれ主人公だからな!?」
そのとき、空中にまた電子魔導スクリーンが浮かんだ。
カレンがちゃっかり乗っ取っていた。
「はーい、じゃあ私から代案出すね!
──“学園内観察モード”、通称“とりあえず様子見”。」
「正式な立場では?」と誰かが突っ込んだ。
「ないよ?」
開き直りやがった。
「いいじゃん、爆発はしたけど死者ゼロだし! 被害軽微だし! ロク科らしいし!」
「どこがロク科らしさだよ!?」
そんなこんなで議論の末、ようやく“仮処置”が決まった。
──GAIは、当面学園内で観察対象。
──ユウトは、その責任をもって監督者扱いに。
──ついでに、ミナが“監視役(自称)”として一緒にいることに
完全に監視される側のくせに監督扱いってなにそれ。
「おめでとうユウト様。生存確率、12%まで上昇しました」
「低いわ!!」