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第八話 大学入学

 桜が咲き始めた四月。


 ついに、俺は大学生になった。


「……なんか、実感わかねえな」


 まだ少し肌寒い朝、スーツ姿の学生たちが次々と校門をくぐっていく。


 俺もその一人として、入学式が行われるホールへと向かった。



 入学式――。


「新入生代表の挨拶!」


 学長の話が終わり、壇上にスーツ姿の女子学生が立つ。


「本日、私たちは新たな学び舎での第一歩を踏み出します――」


 正直、話の内容はあまり頭に入ってこない。


(ついに、俺も大学生か……)


 一年前までは目標の無い生活を送っていた。

 でも今は違う。


「この四年間で、俺は絶対に留学する」


 まだ遠い目標だけど、ここがスタートラインだ。


 入学式の後、各学部ごとに分かれてオリエンテーションが行われた。


 国際学部の新入生が集まる教室に入ると、周りからいろんな言語が聞こえてくる。


(英語……いや、中国語? フランス語?)


 日本人の学生だけでなく、留学生も混ざっているらしい。

 教室内の雰囲気が、すでにちょっと国際的だ。


 そんな中、隣に座った男子が話しかけてきた。


「お前も国際学部?」

「そうっす。柳駿やなぎ しゅんです」

「あ、俺は村田むらた 颯太そうた! よろしく!」


 颯太は短髪で爽やかな雰囲気のやつだった。


「駿くんは、英語得意?」

「いや、むしろ苦手」

「マジ? 俺も。やばくね?」

「やばいな……」


 意気投合するのに、時間はかからなかった。


 さらに、後ろの席の女子が笑いながら話しかけてきた。


「二人とも、入学早々ヤバいとか言ってたらダメでしょ」

「う……まあ、確かに」

「でも、私も英語はそんなに得意じゃないよ」

「マジで?」

「うん。英語のリスニングは苦手。でも、海外に行きたくてこの学部に来たの」


 彼女は佐藤さとう りん。ショートカットで明るい雰囲気の子だった。


「駿は、なんで国際学部?」

「俺は……留学したくて」

「へえ! どこに?」

「うーん、イギリスかなあ」

「え、かっこいい!」

「いや、まだ行けるかわかんないけどな」

「私も留学したい! どこに行くかは決めてないけど!」

「じゃあ、みんなで留学目指して頑張るか!」


 颯太が笑いながら言った。


「おう!」


 なんだか、いい仲間ができそうな気がする。


 こうして俺は、新しい環境で、新しい仲間と共に大学生活をスタートさせた。


 でも、ここで終わりじゃない。


 俺の目標は、ただ大学に入ることじゃない。

 英語を伸ばし、留学を掴み取ること。


 この四年間で、絶対に世界へ飛び出してみせる――。

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