表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偏差値45からオックスフォード大学に進学した話  作者: 希羽
第一章 留学準備編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/61

第二十七話 現実

 翌朝。


 目覚ましをかけずに起きたせいか、いつもより少し遅い時間だった。昨日は色々と考えすぎて夜更かししてしまったが、気分は悪くない。


 ベッドからゆっくり起き上がり、軽くストレッチをしてから、靴を履いて外に出る。


 朝の空気は少しひんやりとしていて心地よい。いつものように近所の公園を歩きながら、英語で独り言を始めた。


 周りに人がいないのを確認しながら、ぽつぽつと単語を口にする。恥ずかしさはもうほとんどなくなった。英語を話すことは、いつの間にか日常の一部になっていた。


 公園を一周して帰宅すると、早速パソコンを開く。


「オックスフォード大学……」


 検索結果から公式サイトにアクセスし、大学院のコースを確認する。


「うわ……めちゃくちゃ多いな」


 ページをスクロールしながら、文学、歴史、哲学、国際関係、経済……文系だけでも膨大な数のプログラムがあることに驚く。


 適当に一つのコースを選び、出願要件を確認する。


「……Any subject?」


 思わず二度見した。


 専攻不問?


 本当に?


 他のコースも確認してみるが、意外にも学部での専攻を厳しく問わないものが少なくない。


 もちろん、GPAは高く求められる。さらに、志望動機やエッセイの完成度、教授からの推薦状が重要な鍵となる。しかし、やはり試験ではなく書類審査が合否を左右するようだ。


 一気に希望が湧く。


 しかし——次の瞬間、その期待は打ち砕かれた。


 英語の出願要件の欄を見て、息をのむ。


 TOEFL110点、もしくはIELTS7.5。


「……110!? 無理だろ、こんなの」


 先日初めて受けたTOEFLのスコアは68点。110なんて、もはや別世界の話だ。


 けれど、IELTSなら……?


「7.5……いけるか?」


 IELTSはまだ受けたことがないが、TOEFLより自分に合っている気がする。


 もう一度、スクリーンに映る「IELTS 7.5」の文字を見つめる。


「……次はIELTSを受けてみるか」


 ついでに他のイギリスの大学院のサイトも確認してみる。


 いくつか見たが、ほとんどの大学の条件はTOEFL100点、IELTS7.0と書いてあった。


 どうやらオックスフォードとケンブリッジだけ、英語の要求レベルが異常に高いらしい。


「とりあえずIELTS、頑張るしかないか……」


 静かに決意を固めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ