第十二話 TOEFLもしくはIELTS
初日の授業を終えた俺は、そのまま大学の図書館へ向かった。
クラス分けのTOEICは終わったが、ここからが本番だ。
学部留学を目指すなら、TOEFLもしくはIELTSのスコアが必要になる。
どちらも英語圏の大学や大学院への留学を希望する人が受験する英語能力測定試験だ。
そろそろ本格的に準備を始めなければならない。
今日はまず、どっちの試験を受けるべきかを調べるつもりだ。
ネットで軽く調べたけど、やっぱり実際の問題を見てみるのが一番手っ取り早い。
大学の図書館には、TOEFLやIELTSの参考書がたくさんあるらしい。どんな問題が出るのか、どれくらい難しいのか、しっかり確認しておきたい。
館内に入り、検索端末でTOEFLとIELTSのコーナーを探す。奥の棚に向かうと、ずらりと並んだ英語試験の問題集が目に入った。
「あった!」
俺はTOEFLとIELTSの参考書を手に取り、ページをめくる。
TOEFL iBTとは……
パラパラと問題集を見てみると、どうやら全部パソコンで受けるらしい。
リーディングとリスニングは、大学の講義とか教科書に出てきそうなアカデミックな内容が多い。
スピーキングは録音された音声で評価されるから、試験官と直接話すことはない。試験時間は3時間くらい。
じゃあIELTSは?
こっちはペーパー試験とコンピュータ試験の2種類があるみたいだけど、TOEFLとの大きな違いはスピーキングが対面式なこと。
試験官と直接会話するから、より実践的なスピーキング力が試されそうだ。
TOEFLより少し短くて、試験時間は2時間45分くらい。
それにIELTSにはアカデミック版とジェネラル版があって、留学目的ならアカデミック版を受けるのが一般的らしい。
うーん……どっちがいいんだろう?
俺はそのまま席に着き、両方の問題集をじっくり読み比べることにした。