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神威に染まれば神になる

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

神様がいるか居ないかに着いては、五分五分、半信半疑です。

彼奴には自分という核が存在しない。どんな物にも良く染まる。だから、ある時は巫女で、ある時は遊女だった。今は神々の加護もあって、巫女としての役割が強く、それ故に禁欲的だった。

そんな彼奴と神社に訪れた。参拝を済ませた後、場所に酔った様にぼんやりとしていた。その状態で境内を歩き回っていると、ふと足を止めて、一つの岩に手を伸ばす。

「ねえ、小さな白蛇の置物があるよ」

「は?」

指の先には袋状の花弁が特徴の白い花が幾つか散っている。でも此奴は「白蛇」と称した。神気酔いを起こしているのだと思う。 早く此処を出て、俗世に染まらせた方が比奴の為ではある。

「早く……此処を出よう」

しかし、俺より先にあるもの発見した。

「ちょっと待ってね。これだけ飲んだら」

東屋の梁に書かれていたのは『御神水』の文字。

御神水というのは、神威の籠った水のこと。どんな物にも良く染る、そんな此奴に取り込ませたら、きっと心の形、諸共変わってしまうのではないだろうか。

「飲んでも変わらないか?」

目を合わせる。今まであどけなかった目が虚無に変わる。人間性そのものが失われ、人外の色を灯していた。もう、戻れない程に染まってしまったのかも知れない。

「私は私だよ」

そうして御神水を取り込んだ彼奴は、何処か酩酊感を伴った状態になった。『脳震盪がする』『いい意味で気持ち悪い』そんな事をボヤく。人間の殻が壊れ、神の物へと変貌しかけた事による反応だと思う。

それから、それから、いきなりその場で倒れ伏した。


「此奴を神に近付けるつもりですか? 死にますよ」

元より此奴の体は人間用。それを生きたまま無理矢理、神の物に全貌させるという事は、器が壊れる可能性があると言うことだ。今のように、耐えきれず、そのまま……。

しかし前に座る御前は、俺の膝の上で横たわる此奴の頬に触れて、ひっそりと呟いた。

「でも死んだら御霊は私の物になる。これでずっと一緒に居られる」

それから人間性のない目でこういうのだ。

「何時から人間は『七つまで』と決めたのだろうね。気に入ったらその理さえ捻じ曲げるのに」

私が暮らす街で災害が起こったとしても、生き残るかどうかなんて分からないんですよ。

どれだけ生きたいと思っても、生き抜けるかは分からないんですよ。

ある時、地震に巻き込まれて、津波に飲まれて亡くなる可能性だってあります。

例えどれだけ信仰を重ねていても。


寵愛は感じますが、自然現象、運命に関わる物まで面倒を見て下さるかは分かりません。

だから居るか居ないかは五分五分だと思ってます。


何物にも染まりやすく、神様と接する機会が増えていたので、人間の体のまま神になろうとしてます。

そんな状態で、神威の塊とも言える物を取り込んだら。

という話。


私の想像では、神様の心の形は人のそれと全然違うので、死生観も違うと思うんですよ。

だから最後の言葉。

七つまでは神のもの。なんて言いますが、その期限なんてあってないようなものじゃないかなと。

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