【番外編】6
話の都合上短いです
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予定日当日の朝。
朝日が遥か遠くまで伸びる水平線をキラキラと輝かせ、そこを時折、小さく弧を描くように魚達が跳ねているのが見える。
アメリアは数日前から出産準備の為にクリーク王家所有の海辺の館に滞在し昨日エルカイルも到着した。
パントバリウス陛下も来たいと駄々をこねたそうだがそこは他国の国王、やはり無理だったらしい。その代わりなのか今この屋敷にはエイミイ母だけでなく父のラウールも顔を出している。
まあ、ラウールの方は出産の立会と言うよりはエイミイ母との再会が目当てのようだが。
「リア、朝食を貰って来た。」
「ありがとうございます。」
エルカイルが朝食を二人分持って部屋に入ってきた。
ほこほこ湯気が立ち上るスープがとても美味しい。
「体調はどうだ?苦しくないか?」
「大丈夫です。でも、そろそろ『この子達』も出たいみたいで今朝一度蹴られました。」
そっとお腹をさすってみる。今はその時の準備をしているのかピクリとも反応がない。
「先程、ソニン殿も到着していた。まさか生まれるのが二人とは驚きだな。」
「はい、きっと……沢山、お世話をおかけします。」
「何をよそ事のように言っているんだ? 一番大変なのはリアだろう?」
「でも、その後はきっと全部お任せすることになる……。」
アメリアはスープの器をそっと置いて窓の外の海原を眺めた。
エルカイルがそっと肩を抱く。
「その為にソニン殿が来てくれている。お前は絶対に、真珠などにはならない。」
「ならいいのですが……もしもの事があった時のために今、子供たちの名前だけは教えてくれますか?考えているのでしょう?」
きっと真珠玉へとなってしまえば暫くは意識がなくなるだろうとエイミイが言っていた。だからせめて子供の名前ぐらいは知っておきたかったのだ。
「子供の名前はまだ考え中だ。子供たち二人の顔を見ながら一緒に考えよう?」
エルカイルは彼女の首筋にそっとキスを落とした。
明日の12時アップで番外編の最終回です。




