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ファイナンシャルファンタジー -逆襲の投資家-  作者: 高美濃 四間
第三章 ダークマターショック
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渦巻く陰謀

 真夜中の豪邸。

 ランタンも点けていない真っ暗な居室で、ノートスの財務大臣『キンレイ』と闇商人のように全身を黒装束で覆い隠した、謎の女が密談していた。


「鼻の利きすぎる犬にも困ったものです」


「ふんっ、忌々しい。オークどもはどうなった?」


「『自害』しましたよ。カルキスの末路を聞いてね」


 キンレイは二ヤリと愉悦に満ちた笑みを浮かべた。

 自害したというのは嘘で、裏から手を回したであろうことは、想像に難くなかった。

 女は興味なさそうに「そうか」と呟く。


「その獣人には褒美でも渡したか?」


「まさか。そんなもの、わしが握りつぶしましたとも。小遣い程度の報奨金を渡された奴の顔は傑作だったと、騎士団長も言っていました。自分の目で見てみたかったものです」


「くだらんな。そいつの待遇はそのままか?」


「いえ、それなりの手柄ということで、やむを得ず昇級させました。さぞ喜んだでしょうな。犬の分際で出世できるなんて夢見るバカな男ですから」


「それは困るな」


「……はい? それはどういうです意味でしょうか?」


「その獣人が次もまた首を突っ込んでこないよう、この国から追放すべきだろう」


「はぁ……おっしゃることは分かりますが、それなりの理由がないと、それは厳しいですな」


 キンレイは苦笑し額の汗をぬぐう。

 女は、抜き身のナイフのように鋭い眼差しをキンレイへ向けた。


「やりようはいくらでもある。手柄を立てたことを理由に、他国へ飛ばせばいいだろ」


「な、なるほど。栄転だとでも言って、ド田舎にでも飛ばしますか」


「バカか貴様は。そんなことしたら、怒りと憎しみを植え付けることになる。そんな手合いは、なにをしでかすか分からないぞ。しっかりと牙を抜け」


 キンレイの静かな苛立ちに怯え、キンレイは委縮する。

 なんともきもっ玉の小さい男だ。


「そ、それでは、ドルガンあたりにしますか」


「それでいい。あともう一人、オークの下でコソコソと這いずり回っていたネズミがいたはずだが?」


「ああ、あの投資家気取りの無職ですか? あんな貧民、放っておいても問題ないかと」


「ダメだ。潰せ」


 女は有無を言わさない迫力で告げた。

 キンレイは顎に手を当て、しばらく頭を悩ませるとなにかを思いついたのか、酷薄な笑みを浮かべる。


「承知しました。なにはともあれ、先に不安要素があぶり出せて良かったです」


「まったくだ。例の件、決してしくじるなよ?」


 念を押すように女は告げると、まるで霧のように音もなく闇夜に溶け込み去って行った。


「もちろんですよ、パラミシア殿」


 一人になった真っ暗な部屋で、キンレイの邪悪な笑い声が響く。

 パラミシア・サナトス。

 このノートスの経済に一石を投じ得る、恐るべき者の名だ。


「ふはははははっ! サナトス家の力さえあれば、次の宰相の座は、このキンレイのものだ――」

気に入って頂けましたら、ブックマークや評価をよろしくお願い致します。

みなさまの応援が創作活動の糧になりますのでm(__)m


また、完結済作品

『転生の設計士 ~科学と魔法が融合するとき、異世界の逆転劇が始まる~』


https://ncode.syosetu.com/n0778fw/


も、よろしくお願い致します。

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