4月19日-8
間に合いました。
あの後どこで何をやっていたのかわからないくらいズタボロになっていた青木さんたちと合流して同じ車で街に向かう。
突入部隊の人たちは他の車を使うそうだ。
「いやぁ、一時はどうなることかと何とかなったようでよかったよー、それにしても淡雪ちゃんの治療ってすごいね、あそこまでボロボロだったのにもう普通に動けるよ」
その淡雪は何事かしらべ物をしている様子だ
といって手だけは動かしてどこかへ指示、もしくは報告をしている様子だ。
そこで疑問に思ったことがある。
「あの、どうしてあそこまでボロボロだったのですか?」
「あ、それ聞いちゃうんだ」
いつもどおりの真意が読めない笑顔のままで――
「ゴリラみたいに体が強化された奴が来て、いやもー強いのなんのって」
軽く言っているが、手足の骨折もそうだが体中の傷から考えてその程度で済まない死闘だった思う。
しかしそんな事を少しも出さず次の仕事に向けている。
「さーてこの感じだとアメリカ側はもう大混乱だろうね、ボチボチえらい人間がここまででっかい事やらかして死んじゃったし」
「それで淡雪の事は――」
心に引っかかっていたことを質問する。
以前の話では淡雪がやらかしてアメリカ軍の軍人を殺したことになっているのがどうなったのか気になっていた。
「ああ、死んじゃった人にぜーんぶ責任かぶせて、互いに口をふさいで終了らしいね、遺族らへの補償はアメリカ側の考えることだから僕は知らないね」
「……なるほど」
ここ数日――いや気づいてないだけでもっとでたくさんの人が死んでいるのだろう。
改めてそのことを考えると気が滅入る。
「山上君が気にしても仕方がない事だから、切り替えないとつらいよ」
青木さんがそのような助言を飛ばしてきた。
「で、淡雪ちゃんが監禁されていた病院の電源の復旧はそこまで時間はかからないようだね」
「そうなんですか?」
「物理的に壊されていたわけじゃないからすぐ戻せるってさ」
それを聞いて安心する。
リーパーの鎌で離れることができているが、気がかりなことだったので安心する。
そこで淡雪がようやく口を開く。
「みなさん必死に目をそらしてますけど――」
続けられる言葉はなかなか重い言葉だった。
「今日の事件――平成十九年の事件はまだ起きてないですからね」
「ぐ――」
車内に沈黙が満ちる。
この出来事はリーパーたちが関わってはいたが、平成・昭和の事件には全く関係がないのだ。
それを考えるならこれから起こるのだ。
「まぁ、知ってたよ」
青木さんは苦笑しながら答えた。
俺の方も覚悟を決めるしかないので、軽くだが頷いておく。
「で、平成十九年ってさぁ、どれ仔これも決め手がなくてさぁ」
「……考えてみれば小学校に入ったあたりか」
思い出してみるが子供だったということもあってほとんどなにも思い出せない。
すると青木さんが口を開く。
「海外だととんでもないのが一つあるけどね」
重々しい口調で話し始める。
「史上最悪のスクールシューティング……まぁ学校内での銃の乱射事件が起きた年ですね、犠牲者は三十二人だね」
言葉に詰まっていると――
「ちなみに最近まで抜かれることがなかったんだよね」
ただ。
と言葉を続ける。
「今までの事件は全部日本国内が対象だったんだよねぇ」
「確かにそうですね……台風などは確かに国外だったんですが」
今までは何も起きなかった日はなかった。
それを考えると何かが起こるはずなのだが……
「考えるだけ無駄と言えば無駄だけどね、予想できたことなんて一度もないでしょ?」
言われてみればそうかもしれないと思ったが――
「当てたことはありましたけどね、阪神淡路大震災は起きることは的中させましたし」
「それくらい目立つ事件ならいいんだけどね……」
ともかくその場では相談し続けるが目立った成果はなかった。
明日も頑張ります。




