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4月19日-4

間に合いました。

「で、早速正門を破ってきたわけですが――」


 異様に頑丈そうな正門を破るためにダンプで突撃し、運転席から這い出ながら青木さんに連絡する。


「本当に大丈夫なんですか?」


「ダイジョブダイジョブ、」


 と言っている間に見計らったかのように大量のパトカーが駆けつける。


 あらかじめ言われた通り物陰に隠れると、パトカーからたくさんの警察官が出てきてどこかへ連絡を取っている。


「あれは何をしているんですか?」


「ああ、まぁ、言い訳というか、警察官をたくさん病院に踏み込ませる大義名分だね」


 そこまで言われてようやくわかった。


「なるほど淡雪を探すために大騒ぎを起こしたら、それを口実に踏み込むわけですね」


「そういうこと、んじゃ、頼むねー」


 と軽い調子でお願いされたが割ととんでもないことをお願いされた。


 だが――


「アアアアァァァァァッ!!」


 騒ぎを大きくするために大声で叫びながらダンプを破壊して病院の中に向かう。


 警察官もここまでやるとは思ってなかったみたいでちょっと引いているように見える。

 なので少し立ち止まってちらりと見ると、慌ててこちらに向かってくる。


 後続がおいかけやすいように出入り口は大きめに斬っておく。


「それで青木さんいいですか?」


「はいはいなんだい?」


 病院の中をわざと大きな音を立てて走りながら連絡する。


「重病の子たちは大丈夫なんですよね?」


「大丈夫だよ、その辺はおおむね研究スペースで入院患者はいない」


「……あと気になるのが防衛役というか、出てくる人自体がほとんどいなくてとても静かですね」


 見たままの事を伝えると――


「おそらくあの身元を引き受けに来た人、あの人が動かせる規模の人しかたぶんいないね」


「? あれ埠頭での戦いみたいなことができるならもっといてもおかしくないと思いますけど」


 ようやく出てきて、拳銃を構えた人が出てきたので手加減して殴って気絶させる。


「あんまりピンと来ないかもしれないけど人って失敗したときは慌ててしまって、慌てているときは正しい判断ってなかなか下せないんだよね」


「……あ、最初のノスタルジストの五人を襲ったあたりからってことですか?」


「そういうこと、そこであっちの口車に乗せられてたくさんの犠牲を払って手に入れた淡雪ちゃんをすごいものだと思い込もうとしているんじゃないかな?」


 その言葉にはさすがに食って掛かる。


「今まで何度も淡雪は日本を助けてますよね」


「ああ。いや、違う違う」


 多少苦笑を込めた口調で青木さんは答えてくれる。


「淡雪ちゃんは一体何がすごいと思う?」


 今までの事を思い出して――


「未来の技術?」


「うーん、それは漠然としすぎかなぁ」


 そのあとで一つ咳払いをして――


「情報処理だよ」


 さらに一呼吸だけおいて。


「電子戦能力と言ってもいいかもね」


「そんなにすごいのですか?」


「そりゃもう、通信設備さえ押さえれば日本全土を制圧できる能力や、有る条件に絞れば世界中から投稿される動画の精査など常軌を逸しているね」


 だからこそ。

 と青木さんは続ける。


「今みたいに外部と通信が取れない場所に閉じ込めておくなんて全く意味がないね、いまわかっている淡雪ちゃんの能力なら電子戦能力以外はあのクラスに人員を動かすほど欲しがるものじゃないねぇ」


「じゃあ、なんで(・・・)?」


「だから言ったでしょ? 正しい判断じゃないって」


 青木さんは通信の向こうで大きくため息をついた。


「捕まえたけど、外部と連絡をとられるとまずいから、外部から隔離してできることをさせているってことろでしょ、本当に無駄なことを……」


「辛辣ですね」


 そこでようやく普段の調子と違うことに気付いたのか咳ばらいを一つして――


「そろそろだよ、その建物で何かを大急ぎで追加された部屋」


 向かう先にはいかにもという厳重な扉が見える。

 さすがにそこには映画で見るような大きな銃で武装した二人組がいる。


 迷わずこっちを撃ってきたが、全く無視して近づきのした。


「ここ、か」


 扉のノブ手をかけて――


 あけた。

明日も頑張ります。

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