4月19日-1
間に合いました。
「ここは……」
目が覚めると見覚えのないベッドに寝かされていた。
見覚えのあるベッドで寝ていたことが最近は少ない、とおもって苦笑する。
するとベッドの脇の人から声をかけられる。
「おはようー、山上君、よく眠れたかな?」
「青木さん……」
青木さんの手元には紙の束があり、どうやら報告書を読んでいるようだ。
眉間にはかすかだがしわが寄っており、不審に思うが下手に絡まない方が良いと考えて待っていると――
「ごめんねー、ちょっと話しかけづらかったかな」
と言いながら報告書をたたんで脇のカバンに収めた。
そのあとでいつも通りの表情で話しかけてきた。
「まず、埠頭での戦いは結局うやむやになった、というかうーん」
すこし唸る。
なのであることを提案した。
「淡雪は一緒に話をしなくてもいいんですか?」
考えてみれば幸次さんの家以外で起きたら淡雪が一緒に居なかったことなんてほとんどなかった。
だからその確認も含めて青木さんに聞いてみた。
すると――
「その説明からした方が良いかもねー」
こちらを向いて真剣な表情で話しかけてくる。
「説明が終わるまでは質問は抑えてね、順序だって説明した方が良いから」
「はい」
少し疑問に思うがその頼みにうなずく。
「まず淡雪ちゃんは十中八九、アメリカ軍に拘束されている、報告書だと射殺ってなってるけどね」
その言葉につい聞き返してしまいそうになるが何とか我慢する。
俺の様子を見て少しだ江申し訳なさそうに青木さんが表情を曇らせて。
「在日米軍基地の襲撃が淡雪ちゃんのせいということになっていてね、だから追いつめて射殺したってなってる」
そのあと感情をこめない声でゆっくりと言い切った。
「まぁ横車を押して、通せば勝ちみたいなところはあるけど、あまりにこっちを甘く見てるからさすがに仕返しに行こうって話でまとまってる」
「どうやってですか?」
すると人の悪い笑みを浮かべて――
「射殺した人が生きてたら大問題だよね」
「ええっと、まさか……」
そのまま次の資料を取り出して手渡してくる。
「あえて気軽に言うなら――」
一拍だけ間を取って、はっきり言い切った。
「カチコミだ」
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「さーて、まずカチコミを行う先の選定はもう終わっててさ」
と言いつつ一枚の航空写真を渡してきた。
それには赤い丸が書かれている。
「場所はここ」
そこは基地ではなくて病院のようだ。
誰かを隠すなら病院というのはよくある手のだろうかと疑問に思うが、今は関係がないので頭の隅に押しやる。
「あんまり兵士はいないっぽいけどさ、この病院は重病の子供が多い病院でさ、結構くろいんだよね」
「え? どういうことですか」
すると青木さんは首をくくるようなしぐさをして。
「詳しく言っちゃうと僕の首がこれになるからあんまり聞かないで」
「はぁ」
すこし釈然としないが、確かに重要なことではないので流すことにして。
「あの港から拘束した淡雪ちゃんをこの病院に運び込んで、電波暗室をでっちあげてそこに収容している感じだね」
「あの淡雪が?」
改めて考えるとおかしなことだらけだ。
「拘束しようにもどんな材質の手錠ならできるのかって感じだと思うんですが」
「多分港での戦いはノスタルジスト側とアメリカさんとの間のやらせだったんだろうね」
そう考えると納得できる。
おそらくノスタルジスト側の技術提供を受けたのだろう。
「でも、えらく強引な話ですよね……」
「多分何らかの理由でアメリカさんがノスタルジストと敵対したのは本当じゃないかな? で人死にが出たのも本当、そうなって失態を取り戻そうとしたのか、手を組んで一番大物の淡雪ちゃんを一本狙いってとこだろうね」
すこし衝撃を受けてしまう。
気をつけろと言われれていたのにという後悔もそうだが、助けに行ってはめられたということがショックだ。
「ま、こっちの善意に付け込んだ相手だから気にせず殴りにいこーねって話でもあるしさ、物事はポジティブにね」
「はぁ」
曖昧な表情で返事をしたと思う。
その様子に青木さんは苦笑しながら――
「君たちが思っているより、多くの人がカンカンでさ、まぁ悪いようにはならないから、計画を伝えるね」
そして青木さんの口から奪還計画の内容が話され始める。
明日も頑張ります。




