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4月18日-6

何とか間に合いました。

 雪を避けて車の中で話し合いを行う。

 どういう原理なのかはわからないがフロントガラスに映像が投影されている。


「さて早速対処しに行きたいけど――」


 淡雪に視線を向ける。

 すると一つうなずいて。


「まず相手ですが、実は中が見通せなくてはっきりとわかりません」


 といって日本地図が映る。

 それは日本海側が濃い青に染まっている。


「『恐怖の大王』のように広い範囲に分散しているクリーチャーだと思うのですが……」


「厄介な……」


 『恐怖の大王』の時はハッキングして自分の体を自分で解体させることで無力化させた。

 つまり物理的に破壊する方法がなかったのだ。


「核になる物ってある感じ?」


「そこも調査中です」


 予想はしていたけど頭が痛くなる話だ。


「さーてどうやってアプローチしようかねぇ」


 青木さんはしばらく考えた後で、


「そもそもこいつはどうやって雪を降らせてるのさ」


「たしかに、それはそうかもしれませんね」


 すこし時間が過ぎて、


「やはり直接行かないと詳しいことはわからないですね、ただ明らかに普通の雪のでき方ではないです」


「というと?」


 フロントガラスの映像が切り替わり、タイムラプス映像のように雪の結晶が成長する様を映す。


「いま映しているものが普通の雪の成長です、そしてこちらが今降っている雪です」


 それは小さな氷の粒が成長するのではなくて、一塊の氷が割れてその過程で形が整いながらたくさんの雪が出来上がる映像だ。


「上空に飛ばしているドローンからの情報をまとめるとこうなりました」


 でも、と言葉を区切って。


「この氷の塊がどこから来たのかなどわからないことが多いのです」


「また出たとこ勝負になりそうだねぇ」


 ため息とともに青木さんはつぶやいた。


「でも仕方ないか」


「では行ってきます」


==================〇=============


 分厚い雲の層に淡雪を抱き上げながら突入する。


「……うまく中が見えなかった理由はこれですね」


 と言いながら何かを調べている。


「何かわかったのか?」


「はい、ここの氷の粒には金属の粒子――おそらく『恐怖の大王』を由来の物が含まれていて天然のチャフで満たされているようなものでした」


 まだあの化け物影響与えてるんだ。

 とどこかずれたことを頭の片隅で思いながらとにかく中心と思われる場所に向かう。


 するとあるところで急に開けた場所に出る。


「あれが雪を降らせている本体……」


 見た目は巨大な氷の塊だ。

 それに亀裂が入って、粉々になることで雪を作っている。


「おそらく同じものが他にもいくつもあるのだと思います」


「……ということは全部破壊しないといけないのか」


 そこで淡雪は軽く唸りだす。

 なにか考えがあるようだ。


「そもそもあの大きさの氷が浮いていること自体がおかしいのですよね……」


「じゃあ、まずはあの氷を調べるか?」


 その言葉に淡雪はうなずいた。


「それしかないですね」


 覚悟を決めてゆっくり進みだす。

 なにか反応があるかと思ったら特に何もなく隣接できた。


 不気味なほど静かだ。


「淡雪、頼む」


「はい」


 しばらく目を伏せ――


「これは――厄介ですね」


 淡雪の口からかなり聞きたくないセリフが聞こえた。

明日も頑張ります。

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