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Apr. 17 2019-2

何とか間に合いました。

 四人の話が終わるまでお湯をいただいて、今はいつものワンピースに着替えています。

 脇に備え付けられた姿見に映して、軽く確認して苦笑する。


「やっぱりすこーし少女趣味ですよね」


 そこで、意識して表情を引き締める。

 最初はあまり問題視していなかったが、話が進むにつれて危険な要素が顕在化して今すぐにでも止める必要が出てきたからだ。


「いま、この時点で再度襲撃をかけるのは危険すぎます」


 昨日の奇襲で良いところまでもっていけた成功体験がそうさせたのでしょう。

 ですが私の見通しではーー


「対策していないはずがないのです」


 成功した人間は繰り返しますが、失敗した人間は同じ轍は踏まないようにするのが当たり前です。

 奇襲をかける計画自体は大きな問題が無さそうですが、根本の考えとして見通しが甘いのが問題です。


 四人が居るであろうスペースのドアを開き、今まさにとびだす四人を止める。


「あなたたちは何をするつもりなのですか? 私は待機命令を出しましたよ」


「私が解除したわ」


 と、“ディープスロート”が悪びれる様子なく言い切りました。

 確かに不在時の指揮権は彼女に渡しますが、まさか入浴の隙を不在時ととったのはほぼ屁理屈です。


「もう一度待機命令を出しても意味がなさそうですね」


 武装の鎌を構える。

 言っても考えが至らないのでしたら、物理的に止めることが必要になる。

 胸中でため息をつきながら四人に相対する。


 “ナード”が笑い、“ウォーモンガー”もダッシュを仕掛けてくる。


「ぅぁ」


 まず変化が現れたのは“ナード”です。

 私にハッキングを仕掛けようとしたのでしょうが、まず彼女が来るだろうということ分かっていたのでーー


「山ほど仕掛けておいた防壁とウィルスはどうですか?」


 返事が来る前に“ナード”は目から血を流して前方に身を投げ出すようにして崩れ落ちた。


「くっ!!」


 “ウォーモンガー”の赤い大剣の打ち込みは恐ろしいほど速い。

 しかしーー


「はい、少しお借りしますねー」


 鎌の刃で受けて即座に奪い取る。


「ちっ」


 一瞬で素手になったのですが、舌打ちをしてそれでも即座に殴ることに頭を切り替えたのは流石です。


「はいっ、と」


 なぐりかかって来る拳を掴み、ねじるようにして地面に叩きつける。


「がっ!!」


 なかなかシャレにならない声が出ましたが無視をしてウォーモンガーの体に鎌を縦に一閃する。


「脊椎預かっておきますね」


「くそ!!」


 瞬く間に二人を活動不能に持ち込んだのを見て“ディープスロート”と“ブラックスミス”が驚愕している。


「さて、まだ間に合いますよ」


「な、何にかしら?」


「人格の消去です」


 活動できている二人――いや、四人とも急激に青ざめるのが確認できます。

 私たちは淡雪ほどではないにしてもそこそこ頑丈なのでそうそう死にませんが人格は別になります。

 もしこれが消去されたら今の自分が殺されるようなものです。

 もし再度インストールされたとしても別人になるので死と同義なのは変わらないのです。


「……“リーパー”取引を――」


 “ディープスロート”の胸を貫くように鎌の刃を突きさしました。

 まだ奪うつもりはないので痛みもないでしょうが背筋が凍っているはずです。


「――」


 “ブラックスミス”はかたずをのんでこちらを見ています。

 “ディープスロート”はいきなりの行動に目を白黒させています。


「交渉できると思いますか?」


「それは……」


 感情をこめないように続ける。


「これから言葉は選んで話してください」


「……分かったわ」


 狙っていることはわかります。

 話を続けて“ナード”の復活を待つことでしょう。

 だからはやくにうちきれる状況に持ち込む。


「勝算は?」


「何とも言えないですけど、今強襲をかけていたら間違いなく反撃を受けて少なくない被害を受けていたでしょうね」


 数秒押し黙って深々と頭を下げてきました。


「分かったわ、これからは必ず指示に従うわ」


 というわけで心臓を抜きました。


「が、は、え?」


 いきなり入った激痛で“ディープスロート”は崩れ落ちた。


これから(・・・・)ということは裏切っていたのでしょ? これは罰です」


 と言い切って“ブラックスミス”に視線を向けて。


「あなたは裏切っていましたか?」


 相手は慌てて首を横に振って否定する。


「よろしい、ではやり直しましょうか」


 と、四人に声をかけて活動を再開することにしました。

明日も頑張ります。

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