4月14日-5
間に合いました。
反応は劇的だった。
「ばれたか!!」
と叫びながら顔の後ろにもう一つの顔が現れる。
背丈が急激に伸び始め同時に腕が倍の数に増えた。
そのままつかみかかってきたので――
「よっと」
呼び出した剣で切り捨てた。
「は!?」
と疑問とも抗議ともつかない声を残してこと切れた。
満を持して出てきた化け物が特に暴れることもなく切り捨てられたことに何とも言えない微妙な空気が流れる。
「え、えーと」
とりあえずちゃんと首を切り落としてちゃんと仕留める。
「たしかにこんな建物を作ったりできたので、強かったらちょっと反則だと思いますが、それにしても……」
淡雪も何とも言えない顔をしているが、何事もないのが一番なので納得することにした。
「さすがにこれで終わり……かな」
「ふぅ、あんな感じで一蹴できたのはよかったのかもな」
刑事さんも胸をなでおろしている。
ところで、と刑事さんはつなげて。
「もし、俺たちだけで相手することになっていたらどうなっていた?」
少しだけ淡雪は考えて。
「二・三人は亡くなるでしょうね、そして少なくない人数で大けがを負う人がいたでしょう」
「そんなにか? あの様子を見たらにわかには信じれないが……」
「あの存在は素手でコンクリートを引きちぎれます、そして拳銃弾一発ではおそらく死にませんし動きも早いです、つまり犠牲者を殺すために足を止めている間に銃弾を残りの全員で浴びせてようやくという見通しです」
そうか、と刑事さんは肩を落とす。
「未成年を矢面に立たせるのはどうも落ち着かなくてな」
ポツリと漏らした。
それが警察官としての責任感なのだろう。
「ままならないものだな、何のためのコレなのやら」
と警察手帳が入ってると思われるポケットを叩いた。
偶然力を手に入れてしまった俺が、なんと答えればいいかわからずに押し黙っていると。
「警察官の仕事は誰かを倒すことなのですか?」
と淡雪が不思議そうに質問をする。
見た目が完全に小さい女の子なので社会科見学の質問会のような絵面になっている。
「あー、いや、違う――そう、違うんだ、でも納得が……割り切ることができないんだよ」
「むずかしい話な気がしますね」
それに対して刑事さんはゆっくりと首を振る。
「頑固なだけだ」
少しだけ苦いものをなめているような表情をして撤収する指示を出し始めた。
「私たちはもう少しこちらにいますね、小さい事ですがやることがありますので」
「ん? ああ、わかった」
と言ってその場を離れていった。
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刑事さんたちが全員退去した後、ガランとした空間に二人だけでいると、淡雪が口を開いた。
「山上さん、分かってますよね」
「ああ」
小さくうなずいてあたりをよく観察する。
「考えてみれば当たり前だが、外部からの干渉が受けたくないならもっと別の場所でもいいはずだ」
「そうですね、なぜここまで見つけにくく、そして突入しづらい場所を作ったのか?」
二人で意見のすり合わせ、というよりもそれぞれの考えを確認しあう。
それは一言で言い表すことができるものだ。
「『回転者』はここに隠れている」
どこかに居るはずなのだ。
探し回っても見つからなかった理由は何かを隠れ蓑にして身を潜めている可能性が高い。
すると――
「みつけました」
淡雪が口に出した。
小さくうなずいて指示された場所を切り開く。
すると――
「橘と安逹か……」
『回転者』が目を伏せて眠っている、その顔は二人の間を行ったり来たりしている。
すると目を開き。
「甘いな」
嫌な予感がしたので思い切り後ろに跳んだ。
それが功を奏したのか、一瞬前までいた場所の景色が歪んだ。
力場が吹き荒れているらしい。
「ああ、切り開くのではなく丸ごと切り捨てればな」
といってゆっくりと起き上がってきた。
と、ある時報が聞こえるそれは日付が変わる時報だ。
いつの間にやらそこまで時間が経っていたようだ。
どうしようか?
という思いが胸の内に浮かぶが、時間は進む。
やるしかないのだ
明日も頑張ります。




