4月31日-9
間に合いました。
近くのコンビニエンスストアから買い占めてきた弁当やらを消費して終わった深雪に話しかける。
正直にわかには信じられない量の食べた後のケースが転がっている。
食べた本人はお茶を口にしている。
「食べたなぁ」
「大量にエネルギーを使いましたので」
とその表情は少しだけ恥ずかしそうだ。
その事実に苦笑しつつ俺自身の胸を辺りをさして。
「知ってると思うが中身を直してほしい」
「ぁ、はい」
とうなずいた瞬間だ。
窓から何かが複数投げ込まれる。
それは握りこぶしほど大きさの筒で端から煙を猛烈な勢いで噴出し始める。
「よいしょ」
がいつの間にか移動していたリーパーがすべて窓の外に蹴り返す。
器用にも蹴り返した一個でビリヤードのように次々弾くようにしてだ。
そのせいでほとんど煙が充満しないまま五人ほどの銃で武装した人が飛び込んできた。
目には暗視ゴーグルらしきものをつけている。
「なっ!?」
驚いたのは向こうの方だろう。
全く違う光景が見えてたのだから。
そこで鋭くリーパーが深雪に指示を出す。
「EMPサージ」
「あ、はい!!」
言った瞬間、深雪の髪に一瞬紫電が走る。
それと同時に――
「ぐあぁぁっ!!」
飛び込んできた5人がゴーグルを毟りとるようにして外す。
その隙を逃さずリーパーは飛び掛かる。
俺もそれにワンテンポずれるが一番近い人に飛び掛かる。
手にした銃を跳ね上げて、手を握りつぶす。
察知されるのを嫌ってかアシストフレームはつけていないのでほぼ一方的に倒せた。
ほかの人の方を見ると深雪はワイヤーで、リーパーは俺と同じように手足を折ったようだ。
続いてリーパーが口を開く。
「いるんでしょう?」
と扉の向こうに声をかける。
すると返事をするように銃弾が大量に撃ち込まれた。
中に味方がいるのにお構いなしだ。
「くっ!!」
強化外骨格を着て前に出てかばうように立つ。
そのまま前に出てホテルの建材をぶち破って隣接する。
「ちぃぃ!! 撤退だ!!」
と言って煙幕を出す手りゅう弾を投げて去って行った。
「一体何が……」
その疑問に答えるようにリーパーがやってくる。
「“ナード”を出してばらした部分もありますが、これは流石にちょっと過剰反応ですね」
「え? わざと知らせたのか?」
その言葉にリーパーはしっかりとうなずいた。
「どの程度切羽詰まっているかを確認したかったのですがかなり切羽詰まっていたようですね」
と言って床に転がされている人を示して。
「思い切りはいいけれどわかっていたなら大して脅威ではないですね」
そのまま軽やかな足取りで一人に近づいて懐の通信機を手に取り。
「穂高二佐? 聞こえていますか?」
と呼びかけると――
「ええ、聞こえています」
とどこか冷え切った声の穂高さんの声が聞こえる。
どうやらリーパーが通信を俺たちの方にもつなげたようだ。
なにかを言おうとするとリーパーは口に人差し指を当てて冗談めかした笑みを浮かべる。
「しぃー」
とそれを聞きとがめたのか穂高んさんが怪訝な声色で聞き返してきた。
「なにか?」
「いいえ何でもないですよ」
いっそ楽しげともいえる口調で返した。
「はぁ」
と穂高さんはため息をついて話始めた。
明日も頑張ります。




