4月31日-1
間に合いました。
「お疲れさん」
グレイゴーストを倒して埠頭に降りますとすでに針山警部が待っていました。
「どうしたんですか? こんなところに?」
「ああ、持ち場の方が早々に終わりそうだったんでな」
そう話しかけてくる針山警部はもうアシストフレームを脱いで完全にオフの様子です。
「これで終わりですね」
「みたいだな……」
奥谷の方の襲撃もようやく終わったそうです。
ですが、変わった様子はありません。
「なにも終わってないみてーだな」
「ええ、まだ四月三一日です」
つぶやく。
これが意味するのは遠からず太陽の熱に飲まれてみんな死ぬという事です。
「しゃーねぇか、帰るぞ」
「……はい」
うつむきながら促されるままに車にむかい助手席に座ります。
シートベルトを装着し、口をつぐんだまま何かできないかを考えます。
「その、な」
「なんですか?」
針山警部が居心地が悪そうに話しかけてきました。
「いま何か打てる手ってないのか?」
「……時間が足りません」
口を開き考えを話始めます。
「膨張してかなり近い場所まで来ていますが、それでも数日ではたどり着くこともできません、守る傘みたいなものも作るだけの時間がないのです」
「なるほどな」
ポツリと言葉を漏らしました。
そこに含まれる響きはどことなく申し訳なさが含まれているように思います。
そのことに疑問に思いますが――
「おっと、あぶねー」
と言いながらハンドルを切り道から降ります。
かなり急だったので体が大きく揺れました。
「道を間違いかけた」
針山警部はすまんな。
と苦笑ながら頭を下げてきました。
「ところでどこに向かっているんですか?」
「ああ、米軍基地だよ、近くで押されられたのがそこしかないとかでな」
ハンドルに手を添えるようにして運転しています。
その横顔からは特に感情は読み取れません。
「そこで穂高さんたちと合流する感じですか?」
「そうだな」
そのまま進んでいき、海に面した場所で唐突に針山警部が口を開きます。
「すまんな」
「え?」
唐突に謝られて驚いていると、視界が炎に包まれます。
「っ!?」
とっさに針山警部を抱えて車の外に飛び出ます。
その後、計ったように車が爆発しました。
どういうことか受け入れることができない間に、こめかみに何か固いもの――金属製の物が押し当てられます。
「なにがっ!?」
とっさにはね上げたそれは拳銃の銃口だでした。
押し付けたのは針山警部です。
「すまん」
とただもう一度だけ謝ってきます。
その表情はとても痛々しいといえる表情です。
同時に視界の端に警告が浮かびます。
高速で飛んでくる物があるという報告です。
「なんで――」
それは砲弾です。
大きさからすると軍艦の速射砲でしょう。
「なんで攻撃されてるんですか!?」
そんな驚きを口に出しつつ、迫ってくる砲弾に対して防壁を地面を材料に作り出しました。
明日も頑張ります。




