4月31日-4
間に合いました。
「くっ!!」
空に登りながらうめく。
理由は上から下に落とされる重量物――爆弾だ。
唐突に現れて進路ふさがれるのは辛い。
ものとしては剣を一閃すれば切って抜けることができるがわずかだが足止めを喰らう。
「面倒な」
つぶやいて強引に突破し、雲の上に突き抜ける。
そこには銀色の飛行機をでたらめにつぎはぎして作られたモノが浮かんでいる。
リーパーが言っていたように点滅するようにしている。
そいつはハリネズミのようにつけられた機銃を一斉にこっちに向けてくる。
「GAGguagugau――」
そんな金属をこすり合わせるような耳障りな音と共に連射してきた。
嵐のような銃撃に思わず押し返される。
「くっ!!」
銃撃がやんだ頃には隠れている。
強引に突っ切るには弾幕が厚いので届く寸前で消えて逃げられる。
「なら――」
できるだけ上昇する。
そして上から見張って――
「いた!!」
現れた瞬間そこに向かって重力も含めて加速する。
さっきまでより速いので一太刀浴びせることができる距離に近づけた。
「せい!!」
全力で外壁に斬りつける。
手首を使って突入口をつくる。
乗り込むとつるりとした外見のナニカがいる。
どことなく海外の人間に見える。
銃らしきもので撃とうとしてきた。
なので隣接し、殴り掛かる。
ブリキ缶でも殴ったような軽い音がして、拳が顔面を貫通した。
引き抜いてそのまま崩れていくこと確認して、邪魔をする存在を切り伏せながらコックピットがあると思われる方向に進む。
すると――
「なんだ!?」
いきなり激しく揺れ始めた。
同時に鍵が外れるような音が連続する。
嫌な予感がして先を急ぐ。
しかし見えたのはずれていく壁だ。
「くそ!! 切り離したな!!」
見た目通りいくつかの飛行機を組み合わせた存在らしく、乗り込まれた場所を切り離して逃げられた。
空に溶けるようにして消え去った。
「……同じことを繰り返すとか無駄すぎるだろう」
おそらくあと二、三度だがその時間ずっと爆弾を降らされ続けるのはよくない。
なので深雪に連絡する。
「深雪、一つお願いがあるんだけど」
「出現パターンですね」
「話が早いな」
先回りをしていたように解析結果が送られてきた。
どうやらあらかじめ解析を始めていたようだ。
向こうから自慢げな声と共に――
「それほど複雑ではないので余裕です」
「頼もしいな」
えへへ。
とはにかんだような声と共に通話が終了される。
予測に従い先回りする。
とピッタリ目の前に現れた。
「よし!! さすが!!」
コックピットに斬りかかり飛び込んで乗員を斬り捨てる。
相手も完全に読まれていたのは面食らったのか慌てふためいていた。
「これで終わりと」
全員切り伏せて安心していたら、勝手にレバー類が動いている。
「まさかこれ言自体がヤツラなのか」
一瞬呆然とするが頭を振って気持ちを切り替える。
「……よし」
計器類を破壊しようかとも思ったが嫌な予感がするのでやめて、コックピット真後ろの壁を切り開く。
そこには歪な形をした爆弾が吊るされており、ブドウのように成長している。
そのあと開きっぱなしの底からばらばらと爆弾を落としている。
「……これが一番かな」
爆弾に飛びつき、思い切り殴る。
一瞬後に炸裂、誘爆するようにして大本の爆弾も破裂する。
爆発音が連続し、真っ赤な炎が内側からこの爆撃機らしきものを丸ごと爆破した。
地面に落ちていく破片は崩れていくように見える。
「これでいいか」
そう呟いて早速地上に向かうことにした。
明日も頑張ります。




