4月31日-1
間に合いました。
「間に合った!!」
たどり着いた瞬間斬りかかってくる軍刀を完全に無視して殴り返す。
ガラスのように刀身を粉々にしながら通った拳は顔にクリーンヒットして砕け散った。
慌てて周りの存在も拳銃で撃ってくるが装甲が弾く音が連続するだけだ。
だから加速し体当たりで一人倒して、蹴りを打ち込んで倒した。
その後地面に着地したとき、いきなり地面が炸裂した。
が、大した衝撃すら入らない。
「uwdudarakdwqiuedfeio!!」
叫び声をあげて突っ込んでくる奴らに隣接し、まとめてなぎ払う。
そのあとで青木さんに声をかける。
「アレなんですか!?」
しばらく考え込んで――
「宮城事件って知ってる?」
「何ですかそれ?」
知らないので素直に答えると――
「第二次大戦末期……というか最後に行われたクーデーター未遂事件の一つ、多分それだと思う――ここに踏み込んだ軍人なんてそれしかない」
「……何を行ったんですか?」
そこから少し悩んでいる様子だ。
その間もわんさと来るので崩れている警察官の人たちを援護するために集団の真ん中に飛び込む。
青木さんと会話しながら倒していく。
「簡単にいうと終戦を止めようとしたってところだね」
「なんでですか!?」
あまりの内容に思わず声が出た。
当時の事はよくわからないがかなりボロボロになっていたはずなのにおかしな気がする。
「そのことへの是非は僕たちがすることじゃないね、後からなんていくらでも言えるからね」
「それは……そうでしょうけど」
突然起きた爆発に巻き揉まれて数体が吹き飛ばされた。
がそれでもまだまだいる。
遠距離や範囲への攻撃ができないと不便だ。
と考えながら無心で殴り掛かる。
「ともかく時代の節目を遅らせようとした事件ってことだね」
「なるほど」
そういう風に説明されたら納得できる部分もある。
場所と目的が一致したという事があるのだろう。
「でさー、山上君も気づいているよね」
なにを?
とは聞き返さない。
どう考えてもおかしなものが見えている。
「四月三十一日ですね」
「そういう事」
なぜか足を突っ込んでいる存在しない日付。
そして秒数も進んでいない。
故障やバグの類の様子もない。
「まぁ確かに、元号が変わるのは五月一日――」
「四月三一日じゃない……」
口にして思うのが荒唐無稽すぎるという事だ。
しかしそれしか思い当たることがない。
「……時間を進めればいい?」
「そうだろうね、でも対策がわからないね」
悩んでいる様子だ。
そこでふと思い出したように――
「そういえば深雪ちゃんは?」
「なんでも沖に現れた巨人……結局倒せなかったグレイゴーストの相手に向かってますね」
銃で後ろから援護していた集団に飛び込み同じように対処していく。
「最終攻勢だねぇ」
「ええ、何とかしのがないといけないですね」
青木さんはそんなこと言っているがそれほど時間はかからないと思う。
何かを考えこんでいる青木さんをながら思い出すのはナードからの忠告だ。
青木さんへの連絡回線を閉じたことを確認してつぶやく。
「大人たちには気をつけろ……かぁ」
そうは言ってもピンとこない。
それこそ溶鉱炉に生身で落とされでもしないと死なない気がするくらい俺は頑丈だ。
巨大化した太陽の事はどうするかは置いておいて、とにかく襲ってくる集団を倒すことに集中しはじめた。
明日も頑張ります。




