20190430-1
間に合いました。
東京駅から伸びる開けた大通りに続く橋の上で目を伏せ待っている。
周りには強化したアシストフレームを着た警察官たちがいる。
なんだかんだでボッコボコにされた人が多いので今日のために各地の精鋭部隊を引っ張て来たらしい。
「まぁ、守る場所が守る場所だもんなぁ」
ある意味の日本の中心。
そこの守りとなると手を抜けない。
そんなことをぼんやりと考えているとよく知った顔が現れる。
「青木か、様子はどうだ?」
「針山警部、まぁボチボチだね」
来た方面ごとに別れて守る場所の打ち合わせをしているようだが――
「どー見てももめてるな」
「まぁねぇ、花形っぽいところってあるしねぇ」
子供じゃないんだから。
と半ばあきれ気味に眺めているが――
「それにしても銃とか持ってないね、なんで?」
「東京のど真ん中でドンパチするつもりか?」
「納得」
今までの傾向から飛び道具を持ち出してくる可能性が薄いというのが大きいと思う。
巨大な怪獣が来たらお手上げかもしれないが、災害などの死人が大量に出ている物でもない限り来ていないので来るとするなら人程度の大きさになるはずだ。
「だとしても本気なの? ほぼ素手で対処するとか、僕はなんだかんだで生き残れてるけど化け物たちってヤバいよ、機動隊の人ら壊滅しかけたり、成田とか凄惨な現場だったそうじゃん」
「……まぁな、だがやれってたっての話なら聞かなければなんねーだろ」
「だねぇ」
二人して肩を落として答える。
勤め人の悲しいところだ。
「ところでなんで俺たちがこっちに来てるんだ? 警備部と中の警察の仕事だろう?」
「わかってて言ってるよね? 長くかかわったせいで僕たちは奴らを引き付けるっぽいって話だよ」
ため息を吐きながら――
「最後の砦というか、以上に僕たち遭遇してるでしょ?」
「あーまぁな」
別に狙ったわけではないのにトラブルに巻き込まれる。
特に僕はまじめに命の危機に直面するのが多い。
「だから、こっそり抜けてくる奴がいるなら遭遇する確率が高いからってさ」
「俺も同じこと求められてるのか……」
二人して顔を見合わせる。
「こなきゃいいが――」
「こういう時って大抵ろくなことにならないよね」
愚痴をひとしきり言ったところで頭を切り替える。
掘りを渡る橋などの部分は各地から終結した人員で守り、中の主要施設に至る場所などは中の警官が守る。
だとすると多数では渡ってこれない目立たない掘りを越えるルートなどだろう。
「どうする? 一応二手に別れる?」
針山警部は少し悩むが――
「そうだな、分かれた方が良いと思う、出会ったら時間稼ぎをしながら連絡して警察の連中に助けてもらおう」
「決まりだね、とりあえず各隊のリーダー格には僕の方から話は通しておく」
「頼んだぞ」
針山警部のその声にひらひらと手をふり答えて目的の場所に向かった。
明日も頑張ります。




