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4月30日-12

間に合いました。

「遠い遠い未来であったことです」


 背もたれに体重を預けて視線を遠くに向けている。

 その表情はどこか普段の演技を思わせる物とは違い、素のように見える。


「その時の世界はあと少しで崩壊を迎えるところでした」


 椅子がかすかに軋む。

 その音が聞こえるくらい全員静まりかえっている。


「と言っても具体的な記憶があるわけではありません、目的は人類を存続するために情報を届ける事()()()


「でした?」


 その言葉にひっかかりを覚えて聞き返す。

 リーパーは目を伏せる。

 その顔からは感情が読み取れない。


 があきれたような口調で続ける。


「何度やっても別の理由で結局人類は絶滅に向かいました」


「どれくらいの回数だ?」


「さて? 数えてないですし、失敗した数より何が変わっていったかの方が重要では?」


 そこで穂高さんが先を促す。


「それで何が変わっていったの? 再現し続けたのでしょ?」


「目的ですね、今直面している問題を何とかするのではなく、その時まで続いている歴史を斬り捨てる方向ぬ向かいました」


 ため息をつき、肩をすくめ答える。


「それはあくまで私の主観的な意見ですけどね、続けるうちに変わっていきました」


「その時周りの状況は? なにか聞いてないかしら?」


「知らないことが大事だそうで全く知らないです、もしくは忘れていますね」


 穂高さんは頭が痛そうに額に手をやって。


「気にしないで、何かわかるかと思ったけど」


「地球がまっさらになってから平成の続きを行っていつか絶滅しない道ができることを願う消極策ですね、それまでが原因の究明と対策を練っていたのですが時間が足りなかったという事でしょう」


 そこで穂高さんがさっきのままの顔ではなす。


「そんなのうまくいくわけないでしょう、ほんの少し変わるとしても大筋では変わらない、だって抵抗力という物があるのよね?」


「ええ、滅ぶことを定められた歴史は無理やり世界を修正します、滅ぶ方へ」


 だから。

 とリーパーは言葉を続ける。


「手勢を作り始めました、越えられるようにでもそれでもダメでした」


「なにがダメだったんだ?」


 聞くと指折り数える。


「繰り返すうちに地球の環境自体が人が住むには適さないようになりました、知ってますか? 実は氷河期はそれほど遠くなかったらしいですよ」


「おいまさか……」


 頷いて。


「そこでようやく歴史を再現する方法の問題が発覚しました、平成の歴史の抵抗力を制圧し変化を起こした歴史を続けて滅びない歴史を探す、しかしスタートする時期もまたずれていきました少しずつね」


 だから。

 と言葉を続ける。


()()()()()()()()()()()()()()()()、繰り返すたびに持ち込んだものが変わっていきました、詳しい原理はわからないですがね」


 語られた内容があまりに荒唐無稽なのでクラクラする。


 その様子に気付いたのか深雪が俺のそばに来て、肩を貸してくれる。

 そして穂高さんに向かい。


「すいません、奥谷が具合が悪そうなので外に出ます」


「え、ええ、いいわよ」


 という言葉を聞くか聞かないかの当たりで俺と深雪は部屋の外に出た。

明日も頑張ります。

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