そのとき
間に合いました。
空が赤く輝く何かに占められた時。
まず起きたのは人工衛星への異常だ。
その瞬間まで正常に機能していた人工衛星群がすべて消失した。
まるで最初からなかったかのように消え去った。
GPS、通信衛星まですべてだ。
次に起きたのは航空機への影響だ。
日本から海外に向かう航空機が日本の領空から出た瞬間、爆発した。
エンジンから火を吹いたと思ったら翼から破裂し爆炎を吐き出し、機体全体が粉々になった。
原因は気温が燃料の発火点以上の空気が燃料タンクを加熱し出火、それは燃料タンクが爆弾になったという事tに等しい。
その巨大な爆弾は機体を風船のように破裂させながら一気にすべて破壊した。
その元乗員乗客まじりの残骸はある物は燃え尽き、またある物は熔解しながら落ちていった。
続くのは船の事故だ。
今までは多少は波があったがごく普通の海だった。
どこまでも続く水平線は外国へとつながっていただろう。
その時までは。
その時、つまり空の様子が変わった瞬間――断崖ができるように向かう先の海が消失した。
まるで大昔の世界で想像されていたように世界の端の大滝のようにだ。
何が起きたのかわからない船員はぽかんとしたまま世界の端を越えて船ごと落下していった。
続いて燃料から出火燃え上がる。
一部は爆発で即死したが、ほとんどの死因は違う。
落下し地面に叩きつけられるより早く、燃料が自然に燃えるような気温であっという間に全身が焼かれ死亡した。
航空機と船。
それらの国外に出ようとしたものは壊滅した。
かろうじて踏みとどまれたモノは運がよく、そしてGPSが使用不能になったため確認のために踏みとどまるという判断を下したからだ。
楽観視した集団は進んで全滅した。
この時点ならまだ航空機と船は大きな差はなかった。
しかし航空機は船と違ってその場にとどまることもできず、燃料を使い続ける必要がある。
管制への無線が集中したこと、そしてGPSが機能停止したことにより空で位置情報を見失う迷子が多発してしまった。
そうしていくつかの運が悪い航空機はどこからの助けを得ることもできない状態で燃料が切れるまでさまよい続けて墜落した事故が起きた。
そしてじわじわと広がったのが通信だ。
国内での通信は問題なく可能だ。
しかし海外からの通信が一切なくなった。
また送った通信は相手が消えたかのように通じなくなった。
中には国際電話での会話中に通信が遮断された例もあった。
そうしてここ一か月を振り返ってもトップクラスにおかしな空の物体への不信感と、世界から孤立したような言いようのない孤独感がだんだんと広がっていった。
それは昏い熱狂をはらみながらじわじわと日本全土を覆っていった。
明日も頑張ります。




