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4月30日-6

間に合いました。

 ネットワークの世界に飛び込みました。


 そこはどこまでも透き通った空を持つ世界です。

 空に浮かぶ星は人工衛星で星座を作るように光る線で結ばれています。

 飛び交う情報量が光る風になり、稼働する電子機器は高層ビルのように積み重なっているます。

 逆に情報の行き交いがない海は奈落のように見えているので空とそこに浮かぶ星々というのが一番表現として正しいように感じます。


「と、私――深雪がここに来るの初めてなので見ている場合ではないですね」


 空高くに浮かんでいる金色に輝く鳥の頭に乗っているせいかどこまでも遠くを見渡せます。


 そうしたとき今更気づいたが――


「鎖が絡まってますね」


 下方向の虚空から伸びた鎖を伝ってくるようにして登ってくる集団が居ます。

 登ってくる集団はガスマスクとタイベックスーツを着用しゴム手袋に包まれた手には銃器を持っています。

 そのすべては白に統一されていてどこか無機質な印象を与えてきます。


「これはまずいかもしれませんね」


 侵入経路としての鎖を破壊する方を優先したいですが、そうすると侵入してくる存在の相手が後回しになります。


「ん~」


 次々乗り込んできて射撃されます。

 が、それを見切りながら考える。


 リアルタイムで札を切りあうカードゲームに近い。

 となると目の前のことにばかり対処しているといつか詰むことになるので慌てるのは禁物です。


「なら狙うのは根本である“ナード”を叩くべきですね」


 そう決めたのならあとは素早く動くことにします。

 まず邪魔な乗り込んできた集団を一旦排除するためにサポートデバイスにアクセスし能力任せで粉砕します。


 羽毛が逆立つようにして電撃が走り光る粒子のようになって砕けていきます。

 それの一部を確保し、サポートデバイスに解析させる。


「よし、と」


 鎖の元に向かい触れてどこから伸びているのかを確認します。

 目を凝らすように伸びてくる先を確認すると――


「地上じゃないみたいですね」


 現実の位置情報と組み合わせると地上ではないように見えます。


 その位置は動いているように見えない。


「……船、ですかね?」


 普通ならそこで決まりなので攻撃に移ることもできますが、そんな単純な話ではないでしょう。


 そう考えているうちに第二陣が乗り込んできました。

 先ほどより若干大柄になっています。


「むむ、厄介ですね」


 先ほどと同じように壊滅させるが今度は少し時間がかかったように見えます。

 能力の一部を第一陣の断片の解析に使用させているとはいえ予想より長い時間がかかったことが気になりました。


「という事は何をしたかという事をどこかで見ているわけですね」


 能力的には私に迫っていて、今まで尻尾をつかませなかった電子戦のスペシャリストである“ナード”。

 おそらくここがここ一か月の戦いの分水嶺になると思います。


「よし……と」


 破壊した第二陣の破片も先ほど同じようにサポートデバイスに解析にかけさせます。

 能力がさらに落ちるでしょうが、隠れている場所を探し出す手掛かりになる可能性があるのでリスクはありますが――


「このリスクは飲まないといけませんよね」


 そう呟いて海上に浮かぶ鎖の根元から先を調べるために探索用の子機を作り出し放り投げました。

明日も頑張ります。

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