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Spring, Thirty days-4

間に合いました。

 太陽が中点を過ぎたころ、ヘリに乗って海に向かう。

 攻撃したことによる凍結がどこまで広がるか全くの未知数のため海の兵器は最初以外は使用しないらしい。


「上陸予想時間はあとどれくらいだ? あと武装も今のうちに起こしておけ」


 とっくに把握しているだろうにやることを作るために声をかけてきた。

 やることがある内は緊張せずに済む、そのことにありがたさを感じながら答える。


「一分を切ってます」


 続いてヘリの武装に火を入れていつでも攻撃をできるように準備をする。

 またアップデートされたようでヘッドマウントディスプレイを頭にかぶる。


 一瞬のノイズの後にクリアな視界が得られ、そこにはワイヤーフレームで作られた逃げ出した化け物が見える。


「これ一体どうなってるんでしょうね?」


「なんでもソナーやらで得た情報をもとに作っているらしいな」


 へぇ。

 と胸の中だけで感心する。


「まずは魚雷を打ち込んでかららしい」


 と言っている間に作戦時間が来て――


「すごいですね」


 直撃した魚雷は大きな水頭を上げた。

 同時に海にいきなり白い塊が浮かんだ。

 化け物だ。


 その周りは分厚い氷で覆われている。


「なるほど、あれは確かに水中からの兵器だと二発目以降は効かないですね」


「抜けないことはないだろうが、ドンドン厚くなるだろうからな」


 言っている間に砲兵たちによる砲弾が着弾する。

 魚雷で足止めして砲弾でダメージを与えさらに足止めを行う。


 とげが伸びるように海面が凍っていく。

 どれだけ低温になっているかわからないが氷の中に埋まるようにして動きが止まった。


「……」


 機内に響くのはエンジンの音とローターが空気を切る音だけだ。


「作戦終了か?」


「そうだと良いのですが……」


 体の表面から白い霜が生えている。

 それの成長が止まらない。


「何でしょうねあれ? 霜のように見えますがドンドン大きくなってますね」


「……普通に霜……だと思うんだが」


 どうにも二人で歯切れが悪い。

 動くことはなさそうだが霜がびっしりと生えていくのはどうにも不気味だ。


「……すごく嫌なことをいうのですが、()()()()()()()()()


()()


 その返事を聞いてすぐにヘッドマウントディスプレイに映す画面のモードを切り替えてサーモグラフィーにする。


 と――


「やっぱりそうです、()()()()()()()()()()()()()


 ちぃ。

 という舌打ちが後部座席から聞こえる。


「今すぐ司令部と連絡をとれ!! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「はい!!」


 すぐさまそのような内容を伝える。

 するとすぐに直に現場指揮官につながれる。


「いつかは自分自身の機能で止まるという希望的観測はできない、爆発物を使用して熱を加える、砲兵と戦車も同時に榴弾を打ち込ませる」


「了解!!」


 一か八かというところだが冷えているなら温めればいい。

 単純な話だ。


「――っ!!」


 覚悟を決めてトリガーを引いた。


「頼む」


 祈るような言葉と共に着弾した瞬間――


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

明日も頑張ります。

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