4月30日-3
間に合いました。
「この施設に引かれている高圧電線切っていいですか?」
オート操作でケージを電人たちの捕獲に回します。
電話の向こうの方に質問します。
「はぁ!? 待て待て!! そんなことしたら停電――って、ああ、くそ!!」
なにかに気付いたのか悪態をつかれました。
が、無視します。
現在ここから出ている電気はサポートデバイスから出ています。
「あとで直しておきますから」
「……」
無言が返ってきます。
まぁいつまでも待つことはできないので――
「てがすべりましたー」
とりあえず後のためにそれだけは口に出してこの施設につながっている高圧電線に向かい飛ぼうとして――
「っ!!」
何かを感じ取ったのか飛び掛かってきます。
見た目通り雷で作られているせいか重さがないのかただジャンプするだけで届いてくる。
「でも!!」
宙で方向転換はできないはずなので方向転換することでよけました。
「よし!! このまま――って、え!?」
避けたはずの電人が方向転換した。
理由は――
「なるほど」
追いかけてくる電人とは逆方向に弾かれる電人がいます。
「磁力で方向転換とはやりますね」
電力と磁力は密接な関係にあり、それらを制御すれば確かに空中でも方向転換ができます。
しかしタネがわかれば後は簡単です。
「ええと――」
視線を巡らして一番近い電人に目星をつけます。
剣を突き刺して――
「電力と磁界を操作したらどうなると思いますか?」
「G――」
電人が一瞬怯みましたが無視をして――
「力が生まれます」
いじったせいか人の形から球体になった電人は高速で射出され、複数体を巻き込んで地面に着弾し砕け散りました。
「Iii――」
慌てて逃げようとする電人を追いかけて――
「これなら敵の攻撃ですね」
とうそぶいて施設に引かれた高圧電線に向かって射出しました。
直撃した電人は電線を溶解させて切断する。
同時に湧いてくる電人がいなくなりました。
揺れている高圧電線は危険なので処理を優先したいですが、それよりもまず電人たちを片付ける方が先です。
「さて――」
眼下の電人たちはたじろいだように見えます。
一瞬後に――
「GgiigUIGig!!」
建物に向かい殺到しますが――
「逃がすわけないでしょう」
オート操作だったケージを変形、かつ量を増やして壁のようにして隔てる。
そして先ほど操作して分かったことがあります。
「中身の容量が一定なんですね」
人の形にとどめておける電気の量が決まっているために合体させても大きな変化がなかったわけです。
「というわけでさよならですね」
広げていたケージを一気に閉じさせます。
逃げる事も出来ずにぶつかり合い、重なり合うようにして消えています。
「ふぅ」
色々手際が悪かったですが、こっちは一段落しました。
空を見上げて――
「奥谷は無事でしょうか?」
とつぶやきました。
明日も頑張ります。




