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2019/04/30-1

間に合いました。

 中央管理室の椅子の背もたれに体重をかけるようにして寄りかかりモニターを監視する。

 といっても示す数値は故障したかのようにフラットだ。


「ち」


 悪態をつきながら思い出すのはこの騒動の発端にも思えるあの娘の事だ。


 仕事場にお上からのお達しで仕事場に乗り込んできた女子高生らしき奴はなんでも日本全土で起きている妙な出来事の専門家って話だった。

 眉唾ものだと考えてみていたが電波じみた事ぬかしたり、外に降りてきた妙な鳥みたいに見える機械のオーナーだとかでますます怪しんでいたら――


「嘘だろ……」


 その女が一言つぶやいたら発電所から送られてくる電力がいきなり途絶えた。

 電気は現代社会の重要なインフラだ。

 だから一地方でかなりの大規模災害が起きようが複数地方に分散された発電所群が安定し電力を供給する。

 災害の報告らしき物もない状態でこんなことが起きるのはりえない。


 唐突に消失した電力を補って余りある電力を外の変なものが供給し始めた。

 ウチに入ってくる電力は全くないが、出ていく量はあることを施設を監視している機器は示している。


「必要な量は発電所の一つや二つじゃないんだぞ」


 思わず口から洩れたのはそんな言葉だ。

 広大な敷地をもつ発電所、それが全国に散らばりそれぞれが連携してようやく満たせる量をたったあの程度の代物で賄っていることを示す。


 今更ながらに飛び出していったあの娘の恐ろしさを感じて身震いする。

 現代の技術を大幅に超えたテクノロジーを使い、ごく自然にふるまう。


「ヤバいな、あの娘」


 思わずつぶやく。

 進みすぎた技術は暴走したとき止めることができない。

 特に個人が扱っている場合は特にだ。


 すると近くに居た若手が苦笑しながら。


「考えすぎですよ、事実居なかったらどうなってたと思うんですか?」


「それは、そうだが、どうにもな」


 熱に浮かされたように徒党を組んで無軌道な暴力をふるう人間は珍しくない。


 そんな考えを振り払うようにしてモニターを監視する。


 と、外から報告が入る。

 報告を持ってきた人間は扉をけ破りかねない勢いで開けて叫んだ。


「おい!! 外がすごい事になってるぞ!!」


「報告は簡潔に明確にしろと言っているはずだが」


 その若手は鼻白んだように言葉をきって、一呼吸してから話始める。


「外で協力者である深雪という少女が襲ってきた電気で作られたような存在と戦っているのですが次々増えています」


 その報告を聞いて頭が痛くなる。

 最初から最後まで今まで遭遇したことがないことが入りすぎている。


「それでどこで戦っていて、どうなりそうなんだ?」


「ええと」


 すぐ近くの机に施設の見取り図を広げ直で描き込む。


「心臓部だな」


 少し悩む、正直なところここでこもっている方が得策の可能性が高い。

 こういう場所で働いている以上、電気の恐ろしさは身に染みている。

 さっきあった報告どおりの者がいるなら襲われたら即死するだろう。


「……どこら辺からならみれる?」


「案内します」


 外に出るのにむしろ遅すぎたと内心後悔しながら施設の外に向かった。

明日も頑張ります。

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