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4月27日-2

間に合いました。

 じっと報告を待っていると――


「!?」


 淡雪が立ち上がる。


 その顔は青ざめており結果はそれだけでわかる。


「日米連合部隊は撤退しました」


 重苦しい空気が満ちる。

 たった二人に撤退を決めたという事は重い。


 その空気を払うようにして針山さんが口を開く。


「流れは詳しくわかるか?」


「はい」


 淡雪がうなずいてゆっくりと話始めた。


===========================〇====


 艦砲射撃の下りまでひとしきり聞いて青木さんがうなずいて続きを促す。


「艦砲射撃とミサイルによって抑え込んだんでしょ? なんでそこから撤退したのさ」


 その疑問に答えた淡雪の言葉は驚くものだった。


「雪です」


「雪?」


 その言葉を聞いた全員が頭に疑問符を浮かべた。


「それも猛烈な、です」


「猛烈な、っていってもそれでどうにかなるようには思えないんだけど」


 そこで淡雪は指を一本立てる。

 そして顔は沈痛な表情のままだ。


「視界が遮られて、足場が刻一刻と割るくなり、()()()()()()()()()()()()()()


「だからって……」


 その言葉に針山さんが割り込んでくる。


「想定外だったんだろうな」


 え?

 と思い、針山さんに目を向ける。


 乱雑に資料の置かれた机に座り、片手には冷え切ったコーヒーをもってじっとどこかを見ている。

 ゆっくりとコーヒーに口をつけて続きを話す。


「大雪が降っているのは別の地域だ、おそらく降ってきた雪は五六豪雪だろうな」


 と言って話を続ける。


「足場が悪くなる中だ、相手は一発で人体くらいなら素手でミンチにできるやつらだ」


 しみじみと言い切った。


「撤退のタイミングを間違えたら大損害、成果を見込めないと見切りをつけて即撤退したってのは悪くない」


 それにだ。

 と続ける。


「そもそもチャンスはここだけじゃない、熱くならずに思考を切り替えるってのはなかなかできんぞ」


 針山さんの低く静かな声に青木さんがうなずいている。


「チャンスはまだあるし――」


 ゆっくりと俺たちの方に目を向ける。


「二人を温存できた」


 その言葉を聞いてじっと考える。


 このまま待っているのも手だろう。

 でも今はチャンスでもある。


 居場所がはっきりとわかっていて間違いなく弱っている。


「淡雪、あの――」


「場所は変わっていませんね、()()()()()と言ってもいいと思います」


「そう……か」


 一呼吸おいて聞き返す。


「橘はどこにいるかわかるか?」


 淡雪は目を伏せて首を横に振る。


「二人を――リーパーとウォーモンガーを叩けば手掛かりがつかめると思うか?」


「正直なところ……分かりません」


 青木さんと針山さんはじっとこっちを見ている。


 自由にしろ。

 と言っているようだ。


「作戦中は二人はここでとどまっていてほしいって穂高二佐は言っていたけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「ずいぶん前の気がするが、その時に戻ったと思って、好きなように動けあと少しだけはな」


 手放しに近い言葉を向けてきた。


 ――だから。


「行ってきます」


 淡雪も軽く頭を下げて外に向かった。


 時間的にはそこまでない。


 強化外骨格を呼び出し空を切り裂くように飛ぶ。


===========================〇====


 砲弾のように戦場に着地する。

 その衝撃で大きく雪が舞い上がり、一瞬視界が遮られる。


 視界が晴れると、そこは白い世界だった。


 砲撃などによってめちゃくちゃにされた地面は雪で覆われて真っ白だ。


 雪が吹きつけられたのか白い柱が林立し、海に面する境界まで雪に覆われている。

 海水が吹き付ける場所は雪が積もらないはずなのに、そんな当たり前を無視するかのように降り積もる。


「さすがにここまで雪が降るのは予想外でした、」


 といって柱に腰を掛けているリーパー。

 手には大鎌を持っており、見た目以上に臨戦態勢なのだろう。


「決着をつけようじゃないか」


 火のような赤が白い世界に生まれる。

 ウォーモンガーは各部から湯気を挙げながら細身の剣を構える。


「行きましょう」


 周囲にいつもの銀色に輝く球体を浮かべた淡雪が宣言する。


「行こう!!」


 柄に手をかけてただ無心でまっすぐ突き進み――



 激突する。

明日も頑張ります。

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