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4月26日-6

間に合いました。

 アメフラシが撃破されると晴れ間が見え始める。


 そこで淡雪が大きく息を吐いた。


「ふぅ……これで一安心ですね」


「だね」


 同時発生した平成の災害を何とかしのげた――正確には豪雪は解決できていないが怪物たちが襲ってくるわけではないので余裕がある。


 すると――


「二人の会話を邪魔する形になるけれどいいかしら?」


 と言いながら穂高さんが回線に割り込んできた。


 そこで居住まいを正そうとして――


「一言だけ言いに来ただけだからかしこまらなくていいわ」


「わかりました」


 淡雪がそう答えたという事は向こうにいるらしい。


 と思っているとそのまま穂高さんから――


「対処しなければならないことはおおむね終わったわ」


「わかりました、しばらくは自由にしていても良いですか?」


 と穂高さんに聞いてみる。


 すると――


「それでいいわ、けどいつでも連絡だけは取れるようにしておいてね」


「わかりました」


 と淡雪が向こうで元気よく答えた。


 すると穂高さん続けて話をする。


「いつまでもボランティアでいてもらうのも悪いと思ってね」


 その言葉にはさすがに辞退する。


「いや、そういうわけにも行うべきだと思うから関わっているだけですし」


「行き過ぎた謙遜は嫌味になるわよ」


「それは……」


 そう言われてしまうと思わず言葉に詰まる。

 迷惑をかけている面があるのは確かだし、本来はかかわることもできないのに持ち込んだ協力を受けていてもらっているという点も悩ましい。

 持ちつ持たれつという関係だが、一方的に拒否するのも気まずい気がする。


 と悩んでいると。


「まぁそんなに気負わなくても大丈夫よ、食事に招待するだけだから」


「食事……ですか?」


 声の調子からすると淡雪はちょっと乗り気の様子だ。

 ものによるけど俺の方も興味がないとは言えないし――


 なんだかんだで落ち着いて食事ができた時間は少ない。


「ええと、高いところとか無理ですよ」


「それは大丈夫よ、安く牛を仕入れることができそうでね、色々あって在日米軍のBBQ趣味の方が張り切り始めたの、それに応じる形で自衛隊の腕自慢が乗り込んでの懇親会もどきが急に立ったのよ」


 明らかに大人のノリではない。

 どちらかというと悪ガキのようなノリだ。


「軍隊は基本男社会、肉を焼くとなるとおかしなテンションになる人間が一定数いるのよ」


 それにね。

 と続ける。


「食べるという事は生きることにつながる活力よ、どんな状況でも食べる事寝る事休む事をないがしろにしない週案は強いわよ」


「そうですか?」


 あまりピンとこないので聞き返す。


 すると軽く笑いながら――


「生きる糧を無視ししはじめたら死に始めるわ、そうしたら未来を見ることがなくなるわね生きる目的が薄れるから」


「……」


 押し黙ってその言葉に聞き入る。


 そうしてゆっくりと切り出す。


「わかりました、行きます」


「ええ、楽しむといいわ」


 と、スマホにメールが一通はいる。

 送り主は穂高さんで、文面は――


「ん!?」


「どうしました奥谷さん?」


 変な声を出してしまったせいで淡雪から不審に思われる。


 がそれを曖昧な笑いでごまかす。


 そのあと改めてメールを見ると、


「俺が淡雪を迎えに行って、その時プレゼントでも手渡せって」


 前に花を贈ろうとして、結局渡せなかったことを思い出す。

 だとすれば以前のリベンジだ。


 同時に服装の事も思い出される。


 考えることが多いが、なんだか胸が少しだけ弾んでいる感覚を得てまずは服をアンとかするために飛んだ。

明日も頑張ります。

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