4月26日-3
間に合いました。
現在雲の上を高速で飛んでいる。
向かう先は岐阜県と長野県の境、本州の中央近くの――
「御嶽山」
今日来るとするならまずここだろうという事でかなり高い位置から飛び降りるように加速しながら向かう。
昨日の段階で山頂への登山道は閉鎖されているので人がいないので人的被害は出ないようにされている。
実際予兆がなくても噴火することになるのだから規制するのは簡単だろう。
えぐられた様にくぼんだ火口に今まさに出てきたナニカの脳天から剣を振り下ろす。
大した抵抗もなく真っ二つになった。
これで終了かと思うが――
「Gaaydoakoe!!」
石をぶつけ合い、弾けるようなくぐもった音が背後から聞こえた。
剣を鞘に納めて、振り向きざまに思い切り殴り掛かる。
手ごたえはあったが――
「浅い!!」
重い打撃音は響いたが砕いた感覚はない。
そうしている間に唐竹割りにしたやつが 頭を左右に押し付けるようにして回復している。
二体はいる。
来る前に伝えられた情報では複数の火口から噴火したらしい。
なので出てきている化け物も複数体いるという事だろう。
そして片方が生き残っていたらもう片方も生き残る。
「いくらなんでも出鱈目だろう」
噴煙のせいで見通しが効かないので音で位置を特定する。
が、殴った感じでは岩のような重量物だったのに驚くほど音が小さく捕捉しづらい。
「予兆がほとんどなかったからか」
つぶやきながら考える。
向こうは結局俺の相手をする必要はなく、被害を起こせばいい。
なので襲ってくることを待つのはできない。
それに二体以上いるので最悪不死身の特性を使って片方が足止めに徹せられたら終わる。
息を大きく吸い込み――
「ヤッホー!!」
内臓スピーカーを使い最大音量で叫ぶ。
すると内蔵された人工知能が処理をして、怪物にぶつかり返ってきた音で方角と距離を測定した。
内容は山だったので思わずやってしまった。
ともかく距離と方角がわかったので、視界の上に大雑把なシルエットで写し、そこに居た怪物の胴体を真横に斬り飛ばす。
「gaygyaGAYt!!」
返す刀でもう一体の首を斬り飛ばす。
「!!?」
手ごたえあった。
鞘に納めて斬り捨てた存在を見ている。
すると――
「くっ!!」
警告がされたので前に思い切り跳んだ。
するとそこを一抱え程もある石が勢いよく真上から降ってきた。
喰らったら下手をすれば地面に埋められて逃げ出すのに苦労してただろう。
「まだいたのか!?」
と斬り捨てた奴を見ると砂のように崩れている。
「そういえば……」
御嶽山の噴火で大きな被害が出たのは噴火による直撃もそうだが、噴き上げられた火口の石――噴石が空高く大量に降ってきたことも理由だった。
「という事は――」
空を見ると噴煙に紛れて何かが浮かんでいるのが見える。
「あいつが落としてるのか!!」
第二ラウンドを開始するために空に飛びあがる。
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近づくとそいつは巨大な鳥のような形をしている。
大きさは目視で学校の体育館を背中に乗せて飛べそうだ。
かなりシンプルな形状の鳥に見えて、鱗にも羽毛にも見える石の外皮を持っている。
その外皮が割れて剝れることで巨大な石を落としているらしい。
「落とすことで攻撃しているなら、上をとればいいな」
「bObbbONAijaoianaopkAGy!!」
そんな叫びをあげて落とす頻度を上げるが――
「撃ち出しているわけじゃないからな」
ガンガンぶつかるが無視する。
ずっと下の麓やヘルメットぐらいしか着ていない相手ならどうしようもないほど危険だが、大した距離落ちていない石なんて全く怖くない。
首を狙って飛び掛かり、すれ違いざまに首に斬りかかる。
斬れたのは半分くらいで、深手を負わせたがまだ致命傷には遠い。
「Aokaokoabaobabbb!!」
外皮が粉々に割れて吹きあがる。
それを見てようやく気付く。
「噴石!!」
ダメージこそないが勢いよく下から押し上げられる形になったので思ったより離された。
すると挑んでくるのではなく、ふもとに向かうように高度を下げ始めた。
「な!?」
さっき考えたことだが、本質的に向こうは俺の相手をしなくてもいい。
つまり距離を離したら移動しつつふもとに攻撃を加えればいいわけだ。
「くそ!!」
全力で近づくが体から発射される外皮の弾幕のせいで思ったよりスピードが出ない。
じりじりと離されてしまう。
焦りがじわじわとやってくる。
そこであること思い出す。
「下方面から近づいたらされなかった」
そこで閃いた。
「そうか!! 噴石なんだ」
追いかけるのではなくまず真下に落ちて向こうより高度を下げる。
と――
「よし!!」
弾幕はぴたりとやんだ。
相手より高度を上げないよう注意して加速する。
下へは外皮を落とすことしかできないのか邪魔は入らない。
なので離された分をあっさり詰めていける。
そして――
「ここ!!」
尻尾からくちばしの先まで開きにした。
「GUauatalahhugaiu!!」
さすがにこれは致命傷だったのか呻くような声を上げて粉々に砕けていった。
明日も頑張ります。




