表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
232/359

0426-3

間に合いました。

 どんよりとした空。

 その雲を突き抜けるようにして飛行機が降りてくる。

 その軌道は滑らかで雲の下が見えていたかのような動きだ。


 理由は空港側が周囲の空を監視し、風向きや周囲を飛んでいる飛行機の三次元的な位置。

 地上で動いている様々な設備や車両を監視し制御しているからだ。

 その働きの中心部分が管制塔と言われる物理的に高い塔だ。


 そこには多数の情報が集められ膨大な数の情報を捌いている。

 ミス一つで数百人の命が失われる、ある意味で戦場ともいえる場所だ。


 と、ある緊急の連絡が入る。

 それは滑走路に何者かが乗り込んできたという報告だ。


 すぐさまその場所の特定が行われ、その滑走路へのアプローチが停止される。

 続いて着陸する航空機の再度の割り振りが行われる。

 入り込んだ人物の正体を考えるなどの余裕は存在しない。

 滑走路一つが巨大でかつ車両を使えるためそれほどの時間をかけずに捕まえることができるだろう。

 そう見通してやるべきことに集中する。


 事実それ以降の報告はぱったりやんだ。

 だからトラブルは粛々と対処されている。

 そう判断した。


 ところで確認も行わず判断するのは一般的に()()()()と言われる。


 これが空でのことならまだそれに気づいたかもしれないが、テロとは無縁の日本。

 組織だった集団が陽動も含めて警備を制圧したなど気づけるはずもない。

 まして管制塔は物理的に離れている箇所だ。

 電子的な連絡網が立たれてしまうと、声や人が伝えにいくなどの原始的な方法しか使えない。

 それによってテロ集団によって起こされた事件に気付くのが遅れてしまった。


 仕方がない面があるとはいえ、致命的な間違いに気づかぬまま事態は進んでしまう。


 そしてついに――


「asyarakaknnnrizuzu!!」


 ナニカが扉をぶち破って現れた。


 それで目を引くのは安っぽい赤色の

 寝耳に水どころでない唐突さに管制塔に居た全員の心に空白が生まれる。


 それが命取りだった。


「zennzaenakakyoton akkakakekta!!」


 口らしき場所から何かが出てくる。

 それは同体積の赤い頭の同じ存在だ。


 そしてそいつらは手首らしきところを変形させて、どこにでもある瓶を作る。

 形も大きさもどこにでもある酒瓶だ。

 しかし瓶に栓をしている物は荒く切り裂かれた布で、瓶の中には半分ほどの液体が入っている。

 誰かが叫んだ。


()()()()!!」


 ニィ。

 とわざわざ口を作って、笑みを浮かべてから投げる。


 それはどういう原理か全くわからないが空中で布に着火される。

 地面にぶつかり燃料がばら撒かれる。

 それは爆発にも近い速度で燃焼して、連続して爆発する。


「ararririsaansiansan!!」


 赤い頭の存在は勝どきを上げる。

 それと地面に倒れてうめき声をあげている職員たちだ。


 どこからともなく取り出した粗末な木の棒を振り上げて周りの機器に振り下ろす。

 まがりなりにも金属等で作られた機材が、木の棒で砕かれるという非現実的な光景が広がる。


「AaaaaAa!!」


 再度雄たけびにも近い叫びをあげたとき――


「!?」


 スイカを砕いたような湿った破裂するような音がして赤い頭が消し飛んだ。


 一拍遅れて乾いた破裂音が響く。

 ()()()


 それと同時に、首に白いマフラーをした屈強な男たちが乗り込んでくる。


()()()()()()()()()()()()


 そんな声と共に手にした透明な盾でぶつかりに行く。

 そして交通事故でも起きたような轟音が響いて赤い頭の一体がはねられる。

 その手足はでたらめに折れ曲がっている。


「これ以上の狼藉は俺たちが許さん!!」


 男たち――()()()()()()()()が獣の咆哮のように叫びながら宣言した。

明日も頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ