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4月25日-9

大変遅れました。

 センサーの類に注意しながらソレに近づく。


 ソレは地面に埋められた表面が磨かれた一抱え程の石だ。


 よく整備された地面にそんなものが埋まっているのはおかしい。


「ん?」


 手で触れると人工知能が何かを受信したことを知らせる。


「これって……」


 それはリスト化された情報項目だ。

 タイトルや発信地は文字化けしており読み取ることができない。


 その中ですぐに消える項目があることに気付く。

 観察しているうちに気付いた。


「あ、そうかコレはコピーした情報をフィルタリングしているんだ」


 文字化けさせているのは少しでも情報を漏らさないためだ。

 屁理屈だがこの装置でまずい情報を省くことで少しでも知りすぎることを避けているのだ。


「ということはここに淡雪が来ていたことは確定だな」


 でも調べたところ一度接続すれば離れても情報は受け取れるようなのでここにはいない可能性は高いので肩を落とす。


「でもなんでこんな見えるように置いたんだ?」


 本来なら見えないように深くに埋めるなどやり方あるのに見えるように置いたのは奇妙だ。


「追ってきてほしい?」


 考えをつぶやいてしまい、いったん首を振って否定するが――


「ここはそうだと思いこもう」


 追ってきてほしいから見えるようにした。

 それくらいの勘違いは許されるだろう。


「となると手掛かりはなんだ?」


 何とはなしにそのリストを眺めているとあることを思いつく。


「条件は何なんだ?」


 自動化しているなら取捨選択する条件が設定されているはずだ。

 だから、条件のリストアップを命じると――


「うわぁ」


 流れる大量のリストに面食らう。

 これだけではどうしようもないとあきらめかける。


「でも、うーん」


 リストを眺めながら空を飛び始める。

 ある程度上がったところでじっと眺める。


 そして拾い上げる情報の条件でフィルタリングしてみる。


「だいぶ減ったな」


 リストアップされた条件は八割がた消えて、残り二割ほどになった。


 知らなくてもいい条件がかなり多かったというのが意外に感じる。

 そこまで考えて何か引っかかる。


「……何だろうこの感覚」


 ノスタルジストを追いかけることを優先していたのに手に入れる情報をかなり制限していた。

 これは素直に考えるとかなり情報を絞っていたということになる。


 ジーっとリストを眺める。


「……あれ?」


 ふと気づくのは衛星写真などの映像情報を手に入れようとしていないということだ。

 交通機関やSNSの書き込みなど文字や数字の情報を手に入れようとしている。


 映像情報は確かに大きいといえば大きいが淡雪の性能なら余裕で処理できるはずだ。


「……ここだけじゃない」


 ここに居なくても情報が送られてくるなら、別の場所での情報収集を行うのも可能だ。


「となるとどこだ?」


 ぼやくようにつぶやく。


 しばらく考えて――


「よし一旦別の場所にいこう」


 思考が煮詰まっていることに気付いたのでとりあえず別の訪れたことがある場所を目指すことにした。

明日も頑張ります。

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