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20190425-3

間に合いました。

 あまり目立たない建物の前に横付けされた車の中で待つ。

 といっても想像通りなら必要になる一手を先に打つために繋ぎをつけている。


 そうしている間に針山警部が戻ってくる。

 すぐに車を走らせながら話しかけてくる。


「あたりだ、奴らは令状をもって押し込んできている、はっきり見たそうだ」


「ということはその令状を失効させれば開放される可能性がありそうだね」


「そうい事だ、あの集団一つ一つの対処とか気が遠くなる」


 それにだ。

 と続ける。


「接触せずに済むってのはメリットだ、やってみる価値はある」


「だと思ってちょっと知り合いに当たってみた」


 針山警部はこっちに疑問の視線を向ける。


「裁判所の知り合いにちょっとね、こころよく引き受けてくれそうでよかったよ」


「それ本当にこころよくか?」


 疑いの目で見られるけど、失敬な最終的に引き受けたなのなら快諾したのと変わらない。


「とりあえずこっちで電話するねー、向かう先は近場の現場でよろしく」


 と気軽に言って、電話をかける。


「あいよ」


 と針山警部も気軽にこたえて車を発進させる。


 数コールもしないうちにつながった。


「はいはーい、いつもお世話になっております青木です」


「ええい、電話を掛けてきたってことは――」


 相手は少しだけ虫の居所が悪そうだ。

 だけどそれとこれとは全く別の話なので気にせず話を進める。


「そういうこと、令状を片手に乗り込んできたってさ」


 でさー、と言葉をつなげて。


「どこが発行したかわかる?」


「知ってて聞いてるな、ここだよ、ここの裁判所で急激に発行されていた」


「いやぁ、予想はできていたけど知ってはいなかったよ」


 はぁ。

 と電話の向こうから盛大な溜息がくる。


「一連の事件で近い裁判所はここだからってことか」


「そういうこと」


 電話の向こうの人間がさらに言葉を返してくる。


「それでどうしてほしい?」


「令状の失効ってできる?」


 できればそれが早いが――


「無理だ、一度出した令状を無くすことはできない」


「なるほど、()()()()()()()()()()()()


「そういうことだ」


 うーん。

 とうなる。


 無理を通してもらいたい気持ちはあるが、司法をつかさどるところにそれを頼むのもまずい。


 すると針山警部が――


「時間が稼げればいいから、控訴とかって無理か?」


「そうか、控訴すれば却下されるまでの間は()()()()()()()()()()()


 電話口の向こうで相手がうなる。


「なるほど、無理筋――ではないな、一応可能だ」


 そこで一度言葉を区切って。


「ほとんど行われないのは、警察や検察が必要と思われるから令状の発行を要請して、裁判所が認めているから即却下されるのがほとんどだからだ」


「てことは――」


 針山警部がうなずく。


「事務所の秘書なりに渡りをつけるぞ!! そんで弁護士に令状への告訴を行わせる」


「通ればラッキーくらいだね、で、あと即却下はやめてね」


 電話の向こうの相手は――


「正直なところ()()()()()


「あー、知らず知らずに令状発行しちゃってたから?」


 そうだ。

 と相手は話す。


「ハンコ隠すとかで物理的にすぐ却下できないようにするのは?」


「……極端な話、告訴した事実があれば一時的でも止まるからこっちの連絡システムを物理的にダウンさせれば即却下されることはくなると思う」


「じゃ、それだな」


 そうして針山警部は僕を見る。


 まぁ期待されることはわかるから――


「針山警部もね、こっそり破壊工作しようね」


「わかったよ」


 と言いながら針山警部はアクセルを踏み込んで目的の裁判所へ行き先を変えた。

明日も頑張ります。

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