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4月25日-2

間に合いました。

 正直なところ穂高さんが書いた十桁と十一桁の数字がどこかの場所を表すのだと予想はできたが――


「困ったことに全く思い浮かばない」


 穂高さんが何やら手を回してくれたのか食堂からゲートまで特にとがめられることなく出ることができた。


 少し悩むが、目立たない場所で強化外骨格の光学迷彩を起動させてこっそり空に浮かぶ。


「何か予想できるものは?」


 と搭載された人工頭脳に聞いてみると視界に地図が浮かびとある場所にピンが打たれる。


「なんでここだと?」


 すると視界の端に撮影されたグラスの数字が浮かぶ、ソレの頭に北緯と東経と書かれる。


「なるほど」


 言われてみれば納得する。

 なのでその地点に向かって飛んでいく。


=========================〇======


 指定された場所は半径一メートルのシートが敷かれている。

 そのシートには銀と黒の帯で作られた的のような模様が大きく書かれている。


「ここって……」


 光学迷彩をかけたまま少し考える。

 そうしてようやく気付く。


「ああ、目印なんだ」


 上から見たらものすごく目立つシートなので目印として置いて、その後上から探せばいい。

 単純でシンプルな方法だけどシート自体はペラペラなので上からじゃないとなかなか気づかないということなのだろう。


「さて、ここからどっちに進んだかだけど……」


 じっと地面を見るとどこかに向かって歩いていく足跡がぼんやりと浮かぶ。

 おそらく人工頭脳が画像処理をしてくれているのだろう。


「ええっと――って」


 ある程度進んで驚いた。


 地面に焼け焦げたような跡と血がべっとりとついている。


「ここで襲われたんだ」


 軽く手を合わせて先へ進む。

 というのも血痕以外に残されたものがないからだ。


 先に進むときれいな白い布に丁寧にくるまれ人の体くらいの大きさの物が四つと、頭くらいの物が一つ並べられていた。


 直感でわかった。


「淡雪だ」


 淡雪がここに訪れて野ざらしになっている遺体を集めたのだろう。


 そしてこの遺体がまだあるということはまだアメリカ軍が回収に訪れていないということだ。


 申し訳ないと思いながら取りに来た記録メディアを探すと――


「あった」


 密閉できる容器にそれらしきパーツが保管されている。

 欲しいのは中のデータなので取り出してコピーさせる。


 その際、音声データも聞こえた。


 最後のその瞬間まで果たすべきことを果たそうとした一人の人間の叫びが聞こえる。


 そして少し前までは冗談を言い合っていた友人が取り返しがつかないほど壊されていた叫びも聞いた。


「……」


 押し黙りしばらく立ち尽くす。


 その後に容器に元あったように戻す。


 そして五人に深く頭を下げて黙とうを行う。


 その後さらに先に進む。

 おそらくノスタルジストのアジトがあるからだ。


=========================〇======


「見た目は普通の民家だな」


 外見はよくある平屋づくりでこれと言って目立つ場所はない。

 玄関は施錠されていない。


 かなり急いで逃げたということだろうか?


 と 正直なところ穂高さんが書いた十桁と十一桁の数字がどこかの場所を表すのだと予想はできたが――


「困ったことに全く思い浮かばない」


 穂高さんが何やら手を回してくれたのか食堂からゲートまで特にとがめられることなく出ることができた。


 少し悩むが、目立たない場所で強化外骨格の光学迷彩を起動させてこっそり空に浮かぶ。


「何か予想できるものは?」


 と搭載された人工頭脳に聞いてみると視界に地図が浮かびとある場所にピンが打たれる。


「なんでここだと?」


 すると視界の端に撮影されたグラスの数字が浮かぶ、ソレの頭に北緯と東経と書かれる。


「なるほど」


 言われてみれば納得する。

 なのでその地点に向かって飛んでいく。


=========================〇======


 指定された場所は半径一メートルのシートが敷かれている。

 そのシートには銀と黒の帯で作られた的のような模様が大きく書かれている。


「ここって……」


 光学迷彩をかけたまま少し考える。

 そうしてようやく気付く。


「ああ、目印なんだ」


 上から見たらものすごく目立つシートなので目印として置いて、その後上から探せばいい。

 単純でシンプルな方法だけどシート自体はペラペラなので上からじゃないとなかなか気づかないということなのだろう。


「さて、ここからどっちに進んだかだけど……」


 じっと地面を見るとどこかに向かって歩いていく足跡がぼんやりと浮かぶ。

 おそらく人工頭脳が画像処理をしてくれているのだろう。


「ええっと――って」


 ある程度進んで驚いた。


 地面に焼け焦げたような跡と血がべっとりとついている。


「ここで襲われたんだ」


 軽く手を合わせて先へ進む。

 というのも血痕以外に残されたものがないからだ。


 先に進むときれいな白い布に丁寧にくるまれ人の体くらいの大きさの物が四つと、頭くらいの物が一つ並べられていた。


 直感でわかった。


「淡雪だ」


 淡雪がここに訪れて野ざらしになっている遺体を集めたのだろう。


 そしてこの遺体がまだあるということはまだアメリカ軍が回収に訪れていないということだ。


 申し訳ないと思いながら取りに来た記録メディアを探すと――


「あった」


 密閉できる容器にそれらしきパーツが保管されている。

 欲しいのは中のデータなので取り出してコピーさせる。


 その際、音声データも聞こえた。


 最後のその瞬間まで果たすべきことを果たそうとした一人の人間の叫びが聞こえる。


 そして少し前までは冗談を言い合っていた友人が取り返しがつかないほど壊されていた叫びも聞いた。


「……」


 押し黙りしばらく立ち尽くす。


 その後に容器に元あったように戻す。


 そして五人に深く頭を下げて黙とうを行う。


 その後さらに先に進む。

 おそらくノスタルジストのアジトがあるからだ。


=========================〇======


「見た目は普通の民家だな」


 外見はよくある平屋づくりでこれと言って目立つ場所はない。

 玄関は施錠されていない。


 かなり急いで逃げたということだろうか?


 と思いながら中に慎重に入っていく。


 家の中も特に変わったことはないが、ある部屋で一変した。


「これって!?」


 部屋一面に何らかの電子機器が置かれており何か活動している。


 触るのもはばかられるので遠巻きにしていると、唐突にモニターが点く。


 驚いていつも使っている剣を取り出し構える。


 身構えて待っていると――


「――リーパー!?」


 画面にはリーパーがいつかのように微笑みながら映っている。


 そして口を開く。


「数日ぶりね、山上君」


 そこでいったん言葉を切り。

 ゆっくりと話を続ける。


「一つ話したいことがあるの――」

明日も頑張ります。

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