Apr/25/ 2019-7
間に合いました。
「しぃぃねぇぇ!!」
基地上空から地面に向けてウォーモンガーが叫びプラズマ砲を乱射する。
それを真下からにらむようにして迎撃し続ける。
無心ですべて迎撃するが、そのせいで爆炎で視界がふさがれる。
その爆炎を切り裂くようにしてウォーモンガーがダイブしてきた。
力任せに振り下ろしてくる右手の斬撃を逆手に持った剣で弾くようにして受ける。
「く!!」
重力も手伝って重い一撃だ。
踏ん張りがきかない空中だと押し込まれてしまう。
対してウォーモンガーは左の掌からプラズマジェットの刃を伸ばして。
「足もらった!!」
両足を切り落としてきた。
「くっ!!」
もはや慣れた調子で足を分解して、その代わりの足をすぐに再構成して凌ぐ。
左手に握ったライフルでウォーモンガーの頭狙いで連射する。
当たれば一撃でザクロのように爆ぜるはずだが――
「はん!!」
首をひねって簡単に避けられた。
が、それでいい。
「牽制ってね」
本命はよけられた後、百八十度曲がって襲い掛かる弾丸だ。
それに気づかれないように右手で殴り掛かるように斬りかかる。
「はん!! 気付いてないはずがないだろう?」
といって逆立ちをするように上下を逆にした。
すると右手の剣をはこっちに向き、左手は向こうとなり、余裕を持って対処された。
プラズマ砲が連続して発射されきっちりすべて撃ち落とされた。
「くっ!!」
こっちの剣戟も銃撃も片手ですべて切り払われる。
元々分かっていたことだけど――
「この距離で純戦闘型のあたしに勝てるわけないだろう」
向こうの攻撃はボクは何とかしのげるけど、向こうは余裕をもって返される。
こっちから絶え間なく攻撃することで何とかなっている状態だ、
「はん!!」
一回、こっちの右を弾くでも受けるでもなく、逸らされた。
普段のイノシシのような大雑把な攻撃動作とは想像もできないほど繊細な動きだった。
「ぁ……」
空ぶってしまったせいで完全にノーガードになった。
返す刀でボクの首を狙ったので、とっさに首を分解し切り離す。
「詰んだぞ!! ブラックスミス!!」
ウォーモンガーは左のプラズマ砲でボクの胴体に一撃を入れる。
その一撃で半分が蒸発し、残り半分が炭化した。
「しぃぃねぇぇ!!」
ついさっき聞いた掛け声と共に宙に浮かんでいるボクの頭に一刀を浴びせようとふるってくる。
それに対してボクは落ち着いて――
「いや、時間切れだね、ボクの勝ちだよ」
「は!?」
そんな声を漏らしたウォーモンガーは唐突にのけぞった。
見えたのは眉間に銃弾が直撃した光景だ。
「さすが、良い腕」
まだ首から下の無事な部分をかき集めて、何とか命を繋ぐためにあがく。
それを呆けたような顔でウォーモンガーは見ている。
当たった角度がよかったのか、まだ生きている。
「な にが ?」
それに対して地上から銃弾の雨が浴びせられる。
そこでようやく最初の銃声が聞こえた。
「言ったでしょ? 時間切れだって」
「まさか!?」
地上には物陰に隠れて自動小銃を構えた屈強な男たち――在日アメリカ軍軍人たちがいる。
ゴーグル――おそらく暗視装置をつけている。
「制圧し返したみたいだね、だからもう時間切れってこと」
空を飛ぶ機能すら維持できずに重力に引かれて地面に落ちていく。
それを追いかけてこようとするが――
「クッソ!! 邪魔くさい!!」
一発一発は致命傷にはならないが、それが絶え間なく襲ってきたら無視もできない。
強化外骨格を展開しようとする暇すらないようだ。
「まとめて吹き飛べ!!」
一気に上に飛んでプラズマ砲でまとめてふきとばそうとして――
「がぁ!!」
腰の半ばあたりまでえぐられるように吹き飛ばされた。
大口径ライフルの一撃だろう。
飛んできた先は塔のように高くなっている建物の屋上からだ。
つまり下からの攻撃を絶え間なく受けたら、上に飛んで逃げる事を読み切っていた攻撃だ。
「クソ!!」
そこで下と横二方向に攻撃を分けて打ち込んだ。
が、狙われた人間はもう避難済み、攻撃を加えたらすぐに撤退する手はずだったようだ。
そうしたら、基地から十五・六発の何かが発射される。
携帯用の対空ミサイルだ。
プラズマ砲を撃った直後の為赤外線で見ると明るく見えているだろう。
大きな攻撃をした後で再装填が間に合わず、慌てて剣を取り出して切り払うがすべては対処できず。
「クソがぁ!!」
そんな断末魔を残して対空ミサイルが直撃した。
明日も頑張ります。




