Apr/25/ 2019-1
間に合いました。
深夜、日付をまたいだその時。
在日米軍司令部が入っている基地が見える場所にいる。
「こちら玄能、目的地が見えました」
見た目はあくまでスマートホンで何でもない会話をしていることを装う。
服装は夜遊びをしている頭が緩めの若い子にみせるために、謎の英単語が書かれた白いTシャツにデニムのジャケット、黒い厚手のホットパンツと同色のタイツ。靴は足首まで覆うスニーカーだ。
髪型は少し色を抜いて短めに切りそろえてもらった。
断眠ハイに入った女性職員がやいのやいの言いながら、一部の職員が落ち込んだりもしたけれどそれなりの格好はできた。
「影響を受けていないメンバーが立てこもっている施設を開放していってください」
「直接司令部に押し掛けることが省かれる理由は?」
電話口の向こうで苦笑をするように――
「協力者のたっての希望と考えてください」
「了解」
よくわからないけど、やるべきことの理由は聞けたので納得することにした。
「座標は――はい、把握しました」
「ではよろしく、支援は行えませんが証拠が残らない限りは自由にやってください」
握ったスマホをポケットに入れるついでに物理的に折りたたんで破壊。
さらに徹底的に破壊してゴミ箱にシュートして証拠隠滅する。
にこやかな笑顔を張り付けてゲートを守っている二人の軍人に近づく。
「止まれ!!」
相手はかなりキツイ英語で静止命令を出す。
二人とも目は血走っており、どことなく虚ろだ。
近づきつつも両手を上げる。
急に銃を抜いてこちらを威嚇しながら命令してくる。
「目的を話せ!!」
「襲撃だよ!!」
両手に拳銃を一丁ずつ呼び出して、相手が引き金を引くより早く腰を落とし一歩踏み込む。
二人はいきなり現れた拳銃に視線が向いている。
「このアマッ!!」
「よいしょ」
軽い動きで拳銃を前方の放り投げる、
注意していたものが予想もしないことをしたので一瞬動きが止まった。
「ごめんね!!」
足が届く距離まで近づいたので足払いを打ち込むように路面を蹴り砕いた。
「はっ!?」
足を取られた一人は隙ができたので手加減して顎を下から撃ちぬくようなアッパーカットを決める。
そうしたら意識が失われたのか、ぐにゃりと崩れ落ち始める。
もう一人は近くに気絶した同僚がいても構わず銃口を向けてきて――
「間に合った!!」
銃本体を握ってひしゃげさせた。
相手は驚いたのか目を剥く。
「何とかなったかな?」
投げた拳銃を回収して汗をぬぐうような動作をするが、容赦なくサイレンが鳴らされた。
「あれぇ?」
と思っていると銃弾が一発飛んできた。
「あっぶな!!」
出所はゲート脇の詰め所だ。
ゲートの前の人間しか見ていなかったから詰め所の人を忘れていた。
「あ、忘れていた」
しまらないなぁ。
と思いながら連射される銃弾をよけながら強化ガラスを破壊して乗り込んで殴って気絶させる。
「やってることはどうみてもホラーのハンター側の行動だね」
とため息をつきながらゲートを飛び越えて侵入する。
元々は音もなく忍び込むつもりだったけど――
「まぁ仕方ないよね」
と思いながら銃を手に顔をのぞかせる米兵にげんなりしながらダッシュする。
明日も頑張ります。




