4月24日-13
間に合いました。
時間は深夜近く。
場所はスカイツリーの頂点付近だ。
「で、通信障害の様子はどうだ?」
「おおむね復旧やっぱり大本つぶすとはやいね」
と気楽な調子で言葉を返してきた。
一つ息を吐き、問いかける。
「それで? 淡雪の行方は?」
「全く手掛かりなし、本気で隠れられているね」
俺の方から連絡を入れようとしてもなしのつぶてだったので期待を込めて尋ねてみたが結局手掛かり話だった。
「なんでこんなに急に……」
頭を抱えて悩むが心当たりが全くない。
ふとブラックスミスの方を見ると曖昧な表情でこちらを見ている。
「何か知っているのか?」
「……」
じっとこっちを見て一言だけ漏らす。
「言えない」
「……」
そこで考えこむ。
知らないではなく言えない。
それを考えると是が非でも聞き出したい。
「淡雪に関して俺たちが知らないことを知っているって思っていいのか?」
「うん、知っている」
あっさり頷かれる。
となると次は――
「いつからその情報は知っていた?」
「ついさっき、通信障害が直ったら淡雪から一つのメッセージが送られてきて、その中に大体書かれてあった」
「そして理由は誰にも言うなともかかれてあった?」
顎を引くようにかすかだがしっかりとうなずいた。
「……まて、言うなでいいのか?」
「うん、そーだよー」
考える。
正直なところ考えるのが得意な人に任せた方が良い気がするが――
「その人も教えることができないと判断したら本当に何もできなくなる」
まず頭に思い浮かんだのは――
「書く事って――」
「無理だねぇ、書くことも無理ってされているから」
当たり前だ。
すぐ思いつくそんな抜け道を残しておくはずがないのだ。
でも伝えるなとしていないので、伝わってほしい気持ちもあるのだろう。
「……淡雪は帰ってくるか?」
「……ボクにはわからない、でも離れたくないんだと思う」
じゃなきゃ。
と言葉をつなげてくる。
「離れる理由なんて伝えないっしょ?」
「少し感傷的すぎないか?」
するとブラックスミスは猫のように笑いながら。
「ボクたちは必死に心を模倣しているからね、心に思いをはせるのは得意だよ」
その言葉に少し苦笑を浮かべる。
「心、ね」
しみじみというとそのまま悪戯っぽい表情で問いかけてくる。
「さてさて淡雪が一旦離れた理由はわかるかなぁ?」
「……」
そうは言われても全く心当たりがない。
あきらめて片手をあげて――
「ヒントは?」
「ないね」
あっさり言い切られて肩を落とす。
しかし原点から立ち返って一緒いれなくなる状況になったとはどういうことかを考える。
「……まさか」
「あ、気づいた?」
大体の状況、例えば捕まったら伝えてほしくないなんてことはないだろうし、何らかの大けがを負っている可能性はゼロではないがすぐに治る。
となると物理的な理由ではない。
で、心理的に離れたいなら探ってほしいような雰囲気はださない。
なら――
「役割に問題ができた」
ブラックスミスは曖昧な笑みで笑っている。
つまりあたりだ。
「淡雪は元々ノスタルジストだった」
表情は変わらない。
となるとあたりだ。
実は敵側だったというのは確かに離れた方が良いかもしれないが――
「追いかける」
「どうやって?」
聞き返されて言葉に詰まってしまう。
だけど何かをやりださないといけない気がする。
「まぁまぁ、待って待って、いい? やみくもにやっても時間を無駄にするだけじゃないかな?」
「ぅ」
言葉に詰まってしまう。
その様子をみたブラックスミスが嬉しそうに笑いながら――
「とにかくほうれんそうじゃない? 大人組に相談してからやっても遅くないって」
「……まぁ」
と不承不承言葉を絞り出す。
そしてブラックスミスが後片付けを終わらせてから、空を飛び始めた。
明日も頑張ります。




