4月24日-1
何とか間に合いました。
「おはようございます、奥谷さん」
と耳に心地いい声が聞こえる。
「おはよう淡雪」
もう何度目になるかわからない受け答えをする。
場所はとりあえず雨露がしのげるだけの軒下だ。
福島第一原発の後始末が始まる頃にウォーモンガーが突然現れて暴れ始め、しばらくしたら橘も合流して相手をしていた。
その事件とディザスターが起こした津波で少なくない負傷者が出たので、無傷で頑丈な体を持つ俺は隅っこで休むようお願いされた。
せめても毛布を差し出されたが、強化外骨格を着ておけば快適に過ごせるのでそれは辞退した。
見た目的にはどこかの販促用のスーツのようで、被害を受けた廃棄物の集積場所と思われてまどろんでいる間に元家具がどんどん積まれてしまったので仕方がなくその廃棄物を正しい廃棄場所に運んだ。
手持無沙汰なのは確かだったので気がまぎれることができたのは救いだった。
そして深夜にようやく眠れて今起きたところだ。
昨日は大規模な災害と事件が起きたせいであわただしかったせいでこうして話し合うのは久しぶりな気がする。
「……昨日は色々あったな」
「え、えぇ」
ぎこちなく二人でうなずく。
昨日の話がまだ引きずっている。
「その――」
何かを言おうとしてそこで横から声が聞こえる。
「お二人を穂高二佐が呼んでます」
呼びかけてきた自衛隊員の方は、こっちの様子をみて少しバツが悪そうだ。
「えっとお邪魔でしたか?」
「いいえ、大丈夫です」
と淡雪が言った。
俺もあいまいだが頷いてその呼ばれた方に向かう。
その時、ふと淡雪に手を伸ばそうとして、引っ込めた。
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教えられた場所に行くと寝不足気味の穂高さんがいる。
「おはよう、よく眠れたかしら?」
嫌味な頷きを返した。
「そう、ならよかったわ」
そこで一つ、咳払いをして話を始める。
「さて淡雪ちゃん、青木氏と針山警部につなげてもらえる? ようやく昨日の情報がまとまったところなの」
「あ、はい」
といってしばらく呼び出しを行った後でつながった。
「とりあえず一番報告が少ないと思われる首都圏組からお願いね」
と穂高さんが針山さんと青木さんに話を振った。
それにまず答えたのが針山さんだ。
「まぁな、まず都内で行われていたデモだが無事沈静化した、いくらかの人間はしょっ引かれて少しばかり苦労することになるかもな」
「お疲れ様です、一触即発まで行かなかったのはさすがですね、青木氏」
「腹が座ってない人間ばかりだったのが幸いだったね」
と青木さんが受けて、話を続ける。
「で、針山警部と回って橘君を探したんだけど、知ってのとおり船で見つけたんだけど暴れて逃げられちゃった」
「それは仕方がないとおもいます、警察の装備では対処できないですから」
と言って、穂高さんが続ける。
「正直なところ強化外骨格装備の相手には自衛隊の装備でも歯が立たないですから」
続いて穂高さんが俺の方を見た。
「福島第一原発はうまく抑えきれましたけど……」
そこでいったんセリフを切って、覚悟を決める。
「その後にウォーモンガーと橘が来て、凌ぎはできたけど……」
「いきなり襲い掛かってきたのは予想できなかったからそこは仕方がないわ」
とフォローを入れてもらえた。
「では次は私が」
と淡雪がつなげる。
「あさま山荘の再現は人質は助けられましたが、突入した人は助けられませんでした」
そこで沈痛な面持ちをしてさらに続ける。
「そのあとの“ディープスロート”が再起動したので急行したのですが、“リーパー”がペルソナのコピーを行うのを阻止できませんでした」
そこで穂高さんはうなずいて。
「みんなありがとうございます、さて私からはそれらの事が起きてどうなったのかそれをかいつまんで話したいと思います」
と穂高さんが口を開いた。
明日も頑張ります。




