卯月廿三日-2
間に合いました。
調べさせ情報をまとめた結果あることが分かった。
「本気であさま山荘を再現するつもりみたいね」
民間人を人質に取り大きめのロッジに立てこもっている。
中の様子はうかがうことができない。
「前から思っていたけど、三人ともこの手の事にセンスがないですね」
とリーパーがつぶやいた。
残りのメンバーについて一番詳しいので話に加わってもらう。
どういう視点かわからないが、包帯でおおわれた映像が映ったときは流石にちょっと驚いた。
おそらく強い放射線を受けたからだと思うが、この状態でも生きているのはやはり人間ではないと再確認する。
かといって見捨てるのもひどいので、申請通りディープスロートの死体から組織を採取するのは許可するつもりだ。
「センスがない、とは?」
「そのままの意味ですよ、立てこもりなんてやったら包囲されて逃げる事ができないかもしれないじゃないですか」
「たしかに今はあなたたちがいますもんね」
こっちに三人、向こうも三人ならあとは人数を動員できるこっちの方が有利だ。
手段を選ばないならほぼ確実に制圧できる。
「だから神出鬼没の散発的なテロに集中していたわけね」
「再現だけすればいいのだから私だったらとっくに逃げてますね、長居をするとドンドン不利になりかねないですから」
なるほど。
と納得した、規模が小さい事も足取りを追えなかった理由だと思うが、用心深く行動してきたということなのだ。
この当たり前の事を積み重ねることができなくて大抵のテロ集団はしっぽをつかまれてしまう。
用心深く隠れて、大胆に活動するそれが徹底できたから驚異的だったのだ。
「一応聞くけど、あのロッジに全員いる可能性は?」
「半々ですかね、三人集まって相談して決めたのなら一人は絶対に外に出ていると思います」
そこで一度言葉を区切って。
「一番可能性が高いのがそれぞれ別々好き勝手に動いている場合ですね」
「指揮を行うことができる相手がいないからということ?」
「ええ、目の前のことを何とかするのは得意でしょうけど、少し先を読んだり相手がどう動いてくるかを考えるのは苦手ですから」
考え込む。
もしそうならあと二人が気になる。
視線をリーパーに向けて質問する。
「その場合、だれがロッジに居て、残りの二人はどうしていると思うの?」
少しだけ考えている様子だ。
「見当もつかないわ、もう完全に最初に指示していた行動から完全に外れていますから」
「よくわかりました、また後で連絡をするかもしれません」
リーパーはかすかに頷いて。
「では、また――」
「ああ、そうです、ディープスロートの死体を使った組織の再生を行ってください」
「それは助かりますね、ただ今すぐは無理ですね」
否定されたのを不思議に思って質問する。
「なぜですか? 少しでも早く直した方が良いのではないの?」
「こっちに出てきたクリーチャーは最終的に放射性廃棄物の塊みたいなものでして、外を出歩けない量の放射線を出しているのです、戦場が終わるまでは無理ですね」
さらりととんでもないことを言われたが、とりあえず納得しておくことにして通信を終えて、淡雪ちゃんに連絡を取ることにした。
明日も頑張ります。




